彫刻家の独り言

北海道出身の彫刻家 黒田栄一のブログです。Yahoo!ブログ「彫刻家 黒田栄一 山のアトリエ」も見てください。

アート イズ ポエジー

2012年06月25日 20時00分25秒 | 日記
姿形は年をとっても 心は歳をとらないなんて 若い時には想像もつかなかった。
初老にさしかかり ようやく思い至っている。

制作の核が心だと気づいたのは随分前だが、確信を持ったのは最近だと思う。

以前シャガールが「アート イズ ポエジー」と言ったと知った。
当時私は「そうだ」と、手を打った。
その当時、ポエジーは詩心と理解したが、今は情念ととらえる。
強い思いが夢や詩に姿、形を与え、表現に力を与える。
その強い思いが感じられる時、人は何らかの感動を受けるのだろう。
伝わらないなら 思いが弱いか、伝え方に問題があるのだろうと思っている。

高校時代からゴッホの作品に強くに惹かれていたが、同時にゴッホの悲劇的人生は 私に怖れを抱かせた。
あれ程非凡な作品を生み出しても、悲劇的な人生を歩まざるおお得なかったのに、私のような凡庸な人間が制作の道に進むとどのような結末になるのか想像するだに恐ろしかった。

更に、高校の美術先生であり担任の先生でもあった富樫浩平先生は随分私を可愛がって下さっていたが、私が美術の道に進む決心を伝えた時に先生は「死ぬよ」と、仰った。
「ほとんど金持ちが美大に進むんだ。金のないヤツが芸術をしようと思うとヒドイ貧乏をして死ぬんだよ。やるなら その覚悟が必要だ。」と、いうようなことを仰った。
おかげで 真剣に大学生活を送れたと思っている。

今、まだまだ自分の全てをかけて制作していない自分に気づく。
悔いの少ない人生を送るために、ますます精進してゆかねばならない。

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