毎年家族と周囲の鳥たちの舌を楽しませてくれる小さなさくらんぼ、樹齢30年、今年も沢山の実をつけた。
この家の建った頃、植木市で小さな苗を買ってきたものが、毎年大きくなって、空を狭くしたと思われた時期もあったが、たわわになった実の重さに耐えられず、木はある雨の上がった日、二股に分かれた大きな枝が片方折れて半分になった。それからも駐車の邪魔になったりして、随分と枝を切り、小さくなって、もう咲かないかと思っても、毎年咲いては実をつけた。ひこばえが出てとなりに若い木が育ってきて、元の木は樹皮も剥げて老体を晒す体であるが、残っている枝には実がついている。
ソメイヨシノよりずっと早い時期に桜の花を楽しみ、そのまま摘果しないので、小さな実が花の数だけ付いているようだ。青い実が膨らんで太陽を浴びて突然赤くなる。
周囲の鳥たちもその時期を待っている。毎年鳥たちとの攻防戦をしてきたが、今年思いついて魚採り用という白い網をかけてみた。一部しかかかっていないが、絡め取られそうな危険を感じたか鳥たちがよってこなくなった。
手で取って直接口に入れるのが一番美味しい。甘酸っぱいさくらんぼを今年も、ざるにいっぱい収穫し、満足して、網をはずし、あとは鳥たちに譲ろう。