レンゲショウマに、似ています。
「これはね、なつろうばいって言うんですよ」
2年続いて雨天となったG W初日4月29日の太宰府茶会、大日本茶道学会松下仙豊さんの担当された余香殿は椅子のお席で、会お好みの麗澤棚がどっしりと存在感のあるお席でした。設えは「松濤」の文字に、豊かな緑の葉に夏蝋梅の白く丸い蕾がひとつ愛らしく掛け花入に、お客様を迎えています。
お断りする理由も思い付かず、連れと3人で、正客と相伴席に案内されました。松下先生ですから、特にお聞きしなくても、席の運びをリードしてくださるだろうと、初めのご挨拶だけ考えておりましたが、特にご発声もなく、どこでお声掛けしたらと、戸惑ったりしながら小柄な若い男性のお点前に見入りました。
それでも今回のお席のテーマは、フランスオリンピックとお聞きして、見回せば蓋置は五輪、水指はオランダ焼き、白地に赤と青、などと一つ一つのお道具に心入れが感じられるものでした。
運んで頂いた御茶碗は、国宝「卯の花垣」を連想する形の、底の広い、薄く白い釉薬のかかった清々しい姿です。ぼってりした志野焼の白と違うのは分かりますが、はて、加藤何某氏作の白楽とのこと。
先にいただいた干菓子は、太宰府の藤丸さんの、ふわふわの生地に大徳寺納豆を一つ載せたもの。
気がつけば、あれこれお聞きして楽しいお席でした。
午後はゆったりだったようで、終わった跡、松下先生がお花を手に出ていらして、飾ってある蕾が開くと、こんな花なんですよ、と、見せてくださったのが、夏蝋梅でした。