僕が電気に興味を持つ、
直接のきっかけになったのは、
このヘンテコな、何かの部品でした。
薄い水色の陶器でできた何か。
小さいころから雑踏が苦手で(笑
1人で歩いて、寂しいところへ行ってました。
また当時は、そういう場所が沢山あったし。
海沿いの、丘の上の廃屋群のはずれで、
僕はコレに出会った。
今はもう、それが古いタイプの碍子(がいし)
だって知りましたけれども。
当時はそもそもが、
陶器製の部品なんて知らなかったから(笑
下に金属のボルトが出てたので、
部品らしいことは知れたわけです。
物はどっかへ行ってしまいましたが、
それからずっと、記憶のどこかに残ってた。
大きな電力を扱う装置、
絶縁体とか変電装置とかは、
そもそもひとが触っちゃダメなので、
絶対に触れない場所とか、
見えない場所とかに設置されますが。
それゆえに、装飾なんて皆無で(笑
形そのものが働き。
不気味な形をしてます。
僕はそれが、たまらなく好き。
理由があってこの形にならざるをえない。
それがすごく好きです。
これ触ったら死ぬなって
歯に衣着せぬ言いようというか、
直感させる形(笑
昭和の時代の重機もそうでした。
最大これだけの働きさせられる機械は、
これだけの構造があったんで。
そもそもの話、
今みたいに手加減して使うなんてことがなかった(笑
もう物理的に持ち上がらない、押せないところまで
持ち上げられること。押せること。
重機の性能ってのは、それを言ってました(笑
だから見た目が、ものすごくゴツかった。
そんなのが冬限定で、山から里へ降りてくるから。
僕は冬が楽しみだった。
ガキのころね。
今は真夏と同じくらい、消したい季節ですわ(笑
もう雪要らない…
今は機械もお洒落になって、
アーム折れるから無理するなと言われる時代になり。
トラクタヘッドでさえ、オートマになって、
この坂登れないから別の道走ってって言われる
時代だそうな。
かろうじて残るは、電気の分野だけですわ。
電柱の上に乗っている変圧器とかの
あのチョッと異様な形は、
これからも、あのままだろうと思います。
まああれでも、ツノとかなくなって、
丸とか四角のパッケージになって、
少しは美しくなりましたけどね。
これからのひとたちは、ますます、
本物を見る機会がなくなるなぁと、
市電の錆だらけの電柱を見上げて、
ふと、思った次第です。