ボクは 外を歩くのが好きです
建物や扉に興味があります
黙ってそっと家を出ますのでじいちゃんやおかあさんは 大変なおもいで探します
2年前のことです
ボクはじいちゃんのすきを見て 家をとびだしました
じいちゃんは 急いで あとを追いかけましたが ボクの姿はみつかりません
家々の玄関や 庭先を走ったり 車を使ったりして さがします
ボクは そのとき ふたりの男の人に 連れられて町内をぐるぐるとドライブをしていたのでした
じいちゃんが必死に探している姿を車の中から なんども見ていました
でも ボクの声が届きません
ゆっくりと走っていた車に じいちゃんは大きく手を上げました
小学生の男の子を見かけませんでしたか 運転していた人が車からおりて 後ろのドアをあけ この子を見てくださいとじいちゃんに言いました
そこには もうひとりの 若い男の人の横に ボクが座っていました
ボクは警察に保護されていたのです
おまわりさんは言いました 保護した現場を確認してください
若いおまわりさんとボクとじいちゃんは3人手をつなぎ 歩きました
赤いランプをつけたパトカーがゆっくりと後ろをついてきます
ときどきパトカーをふりむきます おまわりさんはボクの頭をなでながらニコニコします なんだか 楽しくなります
ナンだろう 近所の人たちがこちらを見ています 車で行きましよう
再び パトカーにのることになりました じいちゃんも一緒です
ボクは ウキウキしています
じいちゃんは 渋い顔をして ボクを引き取る為の書類を書いていました