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貴布禰神社(きふねじんじゃ)は浪江町棚塩の小高い山の上に鎮座。
御祭神は、高閼神(たかおかみのかみ)、暗閼神(くらおかみのかみ)。降雨・止雨を司る龍神。
参道入口。真新しい社号標と一の鳥居。平成23年の大震災で倒壊し、社号標は平成29年、鳥居は平成30年に再建された。
参道の階段と二の鳥居。朱い鳥居は令和6年12月に再建。
太平洋まで直線距離で約200m、津波は二の鳥居の根元まで達した。
請戸地区の津波の高さは最大で15.5m、津波はこの石碑をゆうに超えた。
石碑の後ろに積んであるのが以前の鳥居。令和6年3月の写真にはまだ以前の鳥居が写っているので、傷んだ箇所の修繕を順次行っているのか。
長い階段を上りきると境内に到着
手水
拝殿と狛犬
九曜紋
扁額
真新しい賽銭箱
阿像は玉取り
吽像は子取り
たてがみや尻尾の流れが力強く、肩や背中の力こぶが勇ましい。
流造の本殿、瓦屋根が美しい。
摂社の山神社(大山祇神社)
社殿は山のかなり高いところに建っているから津波の被害は受けなかったが、震源地にはかなり近い…
階段の途中から見える風景。大きな船が見えるのが請戸港、真ん中に小さくポツンと見えるのが再建されたばかりのクサ野神社。右の奥に見えるクレーンが福島第一原発。原発まで約8km。
「平成23年3月11日の東日本大震災により社殿等大破、氏子なる南棚塩在住の住民83戸津波にて全戸流失、更に東京電力第一原発の放射能汚染事故により立入禁止区域となり全町民避難す、平成28年3月現在も居住制限され諸人県内外に離散のままにて帰還の見通しなし」
ここ棚塩地区の避難指示が解除されたのは、平成29年3月31日。
神社には修理の手が入っている。集落はなくなっても、神社を守る方々がいて、ここに集う。