今日は久し振りの青空、風が強く洗濯物がはためくいています。
西にキリリとした富士山の姿を見ることが出来ました。
ここ1週間本を読む時間があり、お話の世界にも旅をしました。
その中の一冊「灰色の北壁」真保裕一著は中編3作品からなる山岳ストーリーとして
良くできている作品と思います。
「ホワイトアウト」や「アマルフィー女神の報酬」を書いた真保裕一さんが書いている本で
「黒部の羆」では過去と現在の状況描写を違和感なく読ませる巧みな構成
「灰色の北壁」では単独登頂疑惑から先輩への心情を思いやる敬意ある行為
が読むにつれ明らかになりそこに感じる代え難い情に打たれます。
「雪の慰霊碑」では山で遭難した息子とその婚約者を思う父親の気持ちと
従兄弟の思いが交錯します。
どの作品も胸打たれます。
山岳小説は新田次郎が大好きで「孤高の人」「八甲田山死の彷徨」「聖職の碑」を夢中になって
読んだりしました。また、井上靖の「氷壁」もハラハラドキドキしながら読んだものですが・・・
久し振りに山の作品を堪能しました。