先月3月の読書課題本は吉田修一さんの「悪人」でした。
この本「悪人」はとても興味深い本でした。
人間の業というか誰しもが抱えている哀しい性を読者に問うているような本にも感じました。
タイトルが「悪人」なのでどんな悪い人が描かれているのかと読み進んでいったのですが
広い意味では最初に登場した佳乃しかり、大学生の佳吾しかり、土木作業員の祐一は勿論
祐一の祖母房江へ健康食品を売る詐欺師も、祐一の母も、そしてアパレルスタッフの光代も
皆、悪い人。。
そこで誰が「悪人」かというと
矢っ張り祐一
人を殺めた人間なんだろうなと・・。
「一人の人間がこの世からおらんようになるってことは、ピラミッドの頂点の石がなくなるんじゃなくて
底辺の石が一個無くなることなんやなぁって」という台詞が印象に残りました。
昨年読んだ同作者の「パークライフ」より好感を持って読んだのだった。