

昨日、家の人が月例会で出掛けひとりになったこともあり、宮本輝さんの
「田園発港行き自転車」を読み終わりました。。。


第1章では、川辺康平を軸に脇田千春の送別会から始まり友人の日吉京介や
部下の平松純市、川辺の家族特に娘の麻裕の不倫相手などの人間模様が語られ・・。
第2章では、賀川真帆を軸に10歳の時にゴッホの『星月夜』の絵に夢中になり模写・・
大学生の時、宮県でゴルフをしているはずの父賀川直樹が富山の滑川で突然死・・。
会社務め時、姉が遠縁の女性(女性編集長)に真帆の童画を見せたことがきっかけで
京都のクララ社という所で絵本作家として独り立ちし、仕事で京都に立ち寄り担当者
会社務め時、姉が遠縁の女性(女性編集長)に真帆の童画を見せたことがきっかけで
京都のクララ社という所で絵本作家として独り立ちし、仕事で京都に立ち寄り担当者
寺尾多美子を待つ時、偶然にそこで父が持っていた鞄を老舗の鞄屋で見つける。
父の急死の謎を絡めつつ、多美子と富山の滑川行きの旅に出て・・。
父の急死の謎を絡めつつ、多美子と富山の滑川行きの旅に出て・・。
第3章は甲本雪子を軸とし京都での賀川直樹の人間関係が明らかになってくる。
ふみ弥、夏目海歩子とその息子祐樹、平岩壮吉、北田茂生等のことも・・。
第4章は脇田千春を軸に家族のこと、叔母の夏目海歩子とその息子祐樹との
心の通う暮らしなどや滑川に訪れたふみ弥とその従兄弟、そして千春が
美容師の道を進もうと決心・・。


人々の生きる姿の美しさや力強さに胸打たれるのです。
登場人物のエピソードを絡めながら進行させる巧みな流れにも感嘆させられます。
ところどころ、嫌みの無い「ラフマニノフの協奏曲」とか「ゴッホの星月夜」とか「万年筆のペリカン」
「BHとかビアンキ」「ツールドフランス、ジロデイタリア、ブエスタアエスパーニャ」
京都の「花街」 「平家物語の部分」などの知識をさらっと絡めながら綴る巧みさもスゴいです。
最後の場面など宮本輝作品らしい何ともいえない心配りのある終わり方だなぁ・・と。
