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紫式部的・枕草子春夏秋冬

2005年10月15日 | 平安時代

春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは、・・・

春は夜明け方が一番すばらしい。 次第に白くなってゆく山頂あたりの空がよい。すこし明るくなって、紫がかった雲がほそくたなびいているのがすばらしい。

紫式部風: 春は夜明け方が一番すばらしい。でも、次第に白くなってゆく山頂あたりの空はさびしいげ。すこし明るくなって、紫がかった雲がほそくたなびいているのをみると、幼き明石の姫君が偲ばれて心が痛い・・。

夏は夜。月のころはさらなり。・・・

夏は夜が一番すばらしい。月が出ている夜はいうまでもないが、闇の夜でもやはり蛍が多く飛びちがっている光景がよい。ただ一つ二つほどの蛍がほのかな光を放っているのもよい。雨などが降れば、なおすばらしい。

紫式部風: 夏は夜が一番すばらしい。月が出ている夜はいうまでもないが、闇の夜でもやはり蛍が多く飛びちがっている光景がよい。ただ一つ二つほどの蛍がほのかな光を放っていくのをみるにつけ、花散里とのほのかなひと時が脳裏をよぎり、雨などが降れば、なお一層・・。

秋は夕暮れ。夕日のさして・・・

秋は夕暮れが一番風情がある。夕日が赤々とさして、日が落ちそうになったとき、からすが寝どころへ行こうとして、三羽四羽、二羽三羽と、飛び急いでいく姿さえしみじみとした趣を感じさせる。まして、雁などが連なって飛んでいくのが、非常に小さく見えるものなどは実に風情があっておもしろい。日が沈み、あたりが暗くなってから、風の音や虫の音などが聞こえてくるのは、また言うまでもなく趣があってよい。

紫式部風: 秋は夕暮れが一番風情がある。夕日が赤々とさして、日が落ちそうになったとき、からすが寝どころへ行こうとして、三羽四羽、二羽三羽と、飛び急いでいく姿さえしみじみとした趣を感じさせる。これが、雁などが連なって飛んでいくのが、非常に小さく見えるときには夕顔を気の毒に想い、日が沈み、あたりが暗くなってから、風の音や虫の音などが聞こえてくるのは、六条御息所の魂を感じてしまう。

冬はつとめて。雪の降りたるはいふべきにもあらず・・・

冬は早朝が一番すばらしい。雪が降っている時はいうまでもなく趣が深く、霜が真っ白におりているのもすばらしい。また、そうでなくても非常に寒い時に火などを急ぎおこして、炭をもって通って行くのも非常に  似つかわしい。昼になって、寒さがだんだんゆるんでいくと火鉢の火も白い灰ばかりになってみっともない。

紫式部風: 冬の早朝はどこか哀しい。雪が降っている時はいうまでもなく、霜が真っ白におりているのも。そうでなくても非常に寒い時に火などを急ぎおこして、炭をもって通って行くのも非常に切ない。昼になって、寒さがだんだんゆるんでいくと、やっと明石の君の心の落ち着きを感じる。

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