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源氏物語 蓬生(よもぎう)の巻 (写真:末摘花)
源氏28~29才。この巻は、あの末摘花の後日譚です。源氏が須磨にいる間、生活の窮乏に耐えながらじっと彼との再会を待ち続けていた彼女に、再会した源氏が感動し、二条院に引き取って幸せに暮らすという暖かい物語です。
源氏が須磨に退去していたころ、末摘花の生活は悲惨を極めていました。昔風の気性の彼女は、由緒ある宮家の誇りを持ち続けようと、庭の木や道具類を所望する者があっても、けっして手放そうとせず、邸は蓬(よもぎ)や葎(むぐら)のしげる狐のすみかにもなって、盗人さえもよりつかないような貧しさの中で、細々と暮らしていました。
末摘花の叔母は、かってこの宮家から軽んじられ恨んでいましたが、いまこそその報復をと、あれこれ意地悪をし、彼女のたった一人の相談相手であった女房の侍従までも自分のもとに引き取ってしまいます。頼りにする使い人もいなくなり、荒れ果てた邸で、ひとしおもの寂しい冬を過ごしていました。
翌春、源氏は「花散里」を訪ねる道すがら、「末摘花」の邸のそばを通り掛かり、木立に見覚えのあるのを思い出し、蓬の露をわけて訪れます。対面した彼女に、源氏は疎遠にした年月を悔いながら、これまでの労をねぎらい、今なお自分を信じて待ってくれていた彼女の心がいとおしく、この人を終生庇護してあげようと誓います。源氏の心遣いで、邸内も修理され、生気を取り戻し、末摘花もやっと安らかな暮らしに戻ることができました。のちに、末摘花は二条院に迎えられ、源氏の配慮のもと、幸せに過ごします。
右大臣
┣⑦朧月夜の君(六女 朱雀帝尚侍として出仕)
┗弘徽殿の女御(皇太后まで病床に臥すなど、凶事が続き、弱気になった帝)
┣第一皇子朱雀帝譲位
桐壺帝----譲位して、光源氏は東宮の後見----世の中は右大臣に傾く----崩御
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┃┃⑨花散里(桐壺帝の女御:麗景殿女御の妹)
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┃┃ ┣形見の女の子
┃┃ ④夕顔(六条の御息所の隣人----生霊に呪われ死ぬ----光源氏は加茂川で落馬)
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┃┃ 桐壺帝の弟
┃┃ ┣秋好中宮----斎宮----冷泉帝に入内
┃┃ ③六条の御息所(伊勢から帰京、間もなく病に臥し、源氏に娘の斎宮の行末を後見)
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┃┣光源氏(わらは病)
┃┃ ┣豪奢な饗宴----弘徽殿の女御の気持ちを逆撫で
┃┃ ┣夕霧----養育を左大臣家に託
┃┃┏①葵の上 (父:左大臣 母:桐壺帝の妹)----御息所の物の怪が原因で夕霧出産後に死亡
┃┃┗頭の中将(権中納言)
┃┃ ┗娘(冷泉帝に入内して弘機殿女御)
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┃┃ 伊予の介という老人@左大臣家(光源氏が訪問)
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┃┃┏②空蝉(若い後妻:光源氏と一度限りの関係----二度目は拒否)
┃┃┗小君
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┃桐壺の更衣(低身分:光源氏3歳のときに死亡)
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┃常陸宮
┃┗⑥末摘花(花散里に寄る途中---終生庇護してあげようと誓い二条院へ呼ぶ)
┃ ┣
┃光源氏(内大臣)
┃ ┣冷泉帝即位
┏⑤藤壺の宮(第四皇女 桐壺帝のいとこ@飛香舎 里帰り中に光源氏と関係 源氏を拒む----中宮----出家再び源氏と一夜をともに)
┗兄・兵部卿宮
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┃明石入道(桐壺の更衣の従兄弟----源氏一行の栄えばえしい盛儀を目の当たり)
┃ ┗⑩明石の君21歳
┃ ┣
┃ 光源氏(29歳----明石から帰京)
┃ ┣
┣⑧若紫(光源氏が後見人----光源氏がさらう@二条院)
┣?
祖母の尼君----光源氏に若紫を託す