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源氏物語 薄雲の巻 (写真: 六条院)
薄雲は、藤壺の死を悼む源氏の歌「入日さす峰にたなびく薄雲はもの思ふ袖に色やまがへる」からきています。
32歳の源氏は明石の姫君を二条院の紫の上に渡し、自らは大堰の邸に留まり、明石の君と姫君は離れ離れとなります。物語はこのあと、最愛の人「藤壷宮」と、左大臣(時の太政大臣)が相次いで亡くなり、一転して激変の様相を呈します。そして、冷泉帝が、出生の秘密を知ることとなります。
冬になり、明石の君は浮き雲のようにたよりない気持ちで日々を過ごしていました。そんな彼女に源氏は、二条院へ移り住むようにすすめますが、応じません。そこで源氏は、それならば姫君を引取って立派に育てようと、切り出します。明石の君は迷いますが母尼君の助言により、姫君のためならばと決心します。姫(3歳)は紫の上にもなつき、紫の上(24歳)も、我が子のように可愛がり、二条院の初春はうららかに明けていきます。
一方、大堰では、姫恋しい日々が続きます。年明けて、源氏は久しぶりに大堰を訪ねますが、この頃には、紫の上の明石の君への嫉妬心も、姫の可愛さに静まっていました。その頃世の中では、凶兆と見られる天変地異が続き、その中で太政大臣(左大臣、源氏の正妻葵の上の父)が亡くなり、引き続いて最愛の藤壷女院も、まだ37歳の若さで亡くなります。源氏の悲しみは言うに及ばず。ひとり深い悲嘆にくれます。
そうした折、藤壷の近くに仕えていた僧が、冷泉帝に、出生の秘密をもらします。帝は心乱れ、実父の源氏が臣下にいることが心苦しく、源氏に譲位しようとします。帝の態度の微妙な変化に、源氏は、秘密が帝にもれたことを直感します。
秋のころ、源氏は、二条院にもどっていた斎宮の女御(のちの秋好中宮。亡き六条御息所の娘で、源氏が養女として帝に入内)を相手に、それとなく恋情をもらします。紫の上が「春」を好むのに対して、女御は「秋」を好むことを知り、四季を満喫できる豪壮な邸宅を造営する構想が、源氏の胸裏に具体化します。これがのちの六条院となります。
右大臣
┣⑦朧月夜の君(六女 朱雀帝尚侍として出仕)
┗弘徽殿の女御(皇太后まで病床に臥すなど、凶事が続き、弱気になった帝)
┣第一皇子朱雀帝譲位
桐壺帝----譲位して、光源氏は東宮の後見----世の中は右大臣に傾く----崩御
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┃┃⑨花散里(桐壺帝の女御:麗景殿女御の妹 二条の東院が落成、西の対に花散里を)
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┃┃ ?
┃┃ ┣形見の女の子
┃┃ ④夕顔(六条の御息所の隣人----生霊に呪われ死ぬ----光源氏は加茂川で落馬)
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┃┃ 桐壺帝の弟
┃┃ ┣秋好中宮----斎宮----冷泉帝に入内(六条院造営計画)
┃┃ ③六条の御息所(伊勢から帰京、間もなく病に臥し、源氏に娘の斎宮の行末を後見)
┃┃ ┣
┃┣光源氏(わらは病)
┃┃ ┣豪奢な饗宴----弘徽殿の女御の気持ちを逆撫で
┃┃ ┣夕霧----養育を左大臣家に託
┃┃┏①葵の上 (父:左大臣 母:桐壺帝の妹)----御息所の物の怪が原因で夕霧出産後に死亡
┃┃┗頭の中将(権中納言)
┃┃ ┗娘(冷泉帝に入内して弘機殿女御 秋好中宮と絵合----帝の前で公式の宮中行事)
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┃┃
┃┃ 伊予の介という老人@左大臣家(空蝉を心配しつつ死亡)
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┃┃┏②空蝉(任地常陸国から帰郷の際、石山詣でをする源氏の行列と行き会わせた 出家)
┃┃┗小君(今は衛門の佐)
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┃桐壺の更衣(低身分:光源氏3歳のときに死亡)
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┃常陸宮
┃┗⑥末摘花(花散里に寄る途中---終生庇護してあげようと誓い二条院へ呼ぶ)
┃ ┣
┃光源氏(内大臣)
┃ ┣冷泉帝(僧が冷泉帝に出生の秘密をもらす)
┏⑤藤壺の宮(第四皇女 桐壺帝のいとこ@飛香舎 死亡37歳)
┗兄・兵部卿宮
┃
┃明石入道(桐壺の更衣の従兄弟----源氏一行の栄えばえしい盛儀を目の当たり)
┃ ┗⑩明石の君24歳(二条の東院が落成 東の対には明石の君)
┃ ┣姫君3歳
┃ 光源氏(32歳----明石から帰京)
┃ ┣
┣⑧若紫24歳(光源氏が後見人----光源氏がさらう@二条院)
┣?
祖母の尼君----光源氏に若紫を託す