千曲川旅情の歌2
千曲川旅情の歌2 島崎藤村
昨日またかくてありけり
今日もまたかくてありなむ
この命なにを齷齪(あくせく)
明日をのみ思ひわづらふ
いくたびか栄枯の夢の
消え残る谷に下りて
河波のいざよふ見れば
砂まじり水巻き帰る
嗚呼古城なにをか語り
岸の波なにをか答ふ
過し世を静かに思へ
百年もきのふのごとし
千曲川柳霞みて
春浅く水流れたり
ただひとり岩をめぐりて
この岸に愁を繋ぐ
千曲川旅情の歌2
千曲川旅情の歌2 島崎藤村
昨日またかくてありけり
今日もまたかくてありなむ
この命なにを齷齪(あくせく)
明日をのみ思ひわづらふ
いくたびか栄枯の夢の
消え残る谷に下りて
河波のいざよふ見れば
砂まじり水巻き帰る
嗚呼古城なにをか語り
岸の波なにをか答ふ
過し世を静かに思へ
百年もきのふのごとし
千曲川柳霞みて
春浅く水流れたり
ただひとり岩をめぐりて
この岸に愁を繋ぐ