以前、我が家には
モナという猫がいた。
まるまるコロコロのアメリカンショートヘアもどきのおっとりした
愛らしい♀猫さん。
その性格とは裏腹に狩りの腕は素晴らしかった。
ある日、私が一人家でくつろいでいると異様な物音がこちらへ近づいて来る。
ガタッ…ザザッ… ガタッ…ザザッ… ん…? なんやこの音は…?
次の瞬間、目が点になる。
モナ !! お前は何ちゅうもんを引きずっとんやぁぁぁ!!?
ヨタヨタ、フラフラしながら
『 見て見て~捕まえたのよ、スゴイでしょ~ 』とご満悦に『 あるモノ 』 を引っ提げてご帰還したのだ。
そのモノとは…
足には水かき・翼を広げれは1メートル以上、
野生のカモ( 鴨 ) !!
ひょえ~ ど、ど、どないしよ~バタバタしとる~
助けを呼ぼうにも、家にいるのは ( 私・モナ・カモ )= ( 人間・猫・鳥 ) しかいない。
選択肢として人間が何とかするほかない。
『 第一にカモを捕獲 』と人間の本能が囁く。 家にあった虫取り網を猛ダッシュで取りに行く。
網を手に
いざっ! 参らんっっ!! ( まさか家の中でカモ相手に網を振り回すことになろうとは… )
すると、モナが咥えていたカモを離してしまった。
バサバサッ、バサバサッッ
部屋の中で飛び立とうとデカい翼で羽ばたきよった!! しかもちょっと浮いてる

驚きと今の現状にかなり涙目。だが、頼れるのは自分だけ。
戦うこと数十分、なんとか網の中にカモ捕獲成功。
しかし問題発生。
虫取り網は虫を捕るものであって、カモを捕るものではございません。
ミシッ… ミシッ… アカン!! 網の柄がしなってきよった!!
もがき暴れるカモの重みは想像以上。両腕で必死に支え堪える。
早急にカモを解放せねば網の柄が折れてしまう。
窓を開け、網を外に差し出すと大空に羽ばたいて行った。
とある日のこと
仕事から帰ると家( 誰もいない )の部屋の奥から物音が。
ど…泥棒!? そ~っと音のする方へ近づいて行った。
ん…!? なにやら見覚えが…。
足には黄色い水かき・体長20センチほど・バサバサ羽ばたく
水鳥のお子さん!!
またかいな
またも虫取り網登場で捕獲。 お子さんなので容易くGET。
安全な場所で解放。
ウチの猫さんがすまんかったの~達者で暮らせよ~。
猫さんは自分の捕まえた獲物を飼い主に見せに来るのだ。
『 がんばって獲ったのよ 』と。
そういう時はたくさん褒めてあげるのだ。 けれど捕まった彼等にも命があることも言い聞かせる。