→第1句集「眼光」50句 →第2句集「潟風」50句 →第3句集「起伏」50句 →第4句集「雷光」50句 →第5句集「残光」50句 →第6句集「剥離」50句 →第7句集「接岸」50句 →第8句集「浮游」50句 →第9句集「蒼穹」50句 →第10句集「道界」50句 →第11句集「半夜」50句 →第12句集「虚空」50句 →第13句集「暁闇」50句 →第14句集「月命」50句 →第15句集「遠景」50句
●透次第2句集「潟風」
第1句集「眼光」につづく「潟風」。まるで虚空を漂うかのごとき軽妙な第2句集。句集名は「団扇より蘇り来る潟の風」より。他の代表句として「黄水仙緑の風を呼びにけり」、「百日紅街道北へ帰るらむ」他。帯文:もうひとりの透次。仮想出帆社(2012.7.21感光)
○透次第2句集「潟風」50句
051笹舟のほぐれて疾し夏の川(夏の川)2011/7/9
052水馬一航跡も残さずに(水馬・夏)2011/7/16
053故郷に遠く花火の音近く(花火・夏)2011/7/23
054波乗の彼女や彼に波波波(波乗・夏)2011/7/30
055原爆の日に当直をしてゐたり(原爆の日・秋)2011/8/6
056水道の出だしを捨てる終戦忌(終戦忌・秋)2011/8/13
057歩道橋の天辺あたり月恋し(月・秋)2011/08/20
058秋風をパントマイマー掌で押して(秋風)2011/8/27
059秋暑き佛が仏迎へる日(秋暑し)2011/10/2
060葬列を生者が組みて欄干まで(無季)2011/10/2
061黄水仙緑の風を呼びにけり(黄水仙・春)2011/10/2
062春嵐遺影遺骨に後れとる(春嵐)2011/10/2
063主の亡き夏の背広の濃紺に(夏)2011/10/2
064潟の雨昇華の床に垂直に(無季)2011/10/2
065団扇より蘇り来る潟の風(団扇・夏)2011/10/2
066木犀の風の塊縫ふごとく(木犀・秋)2011/10/2
067枝に帰る花ことごとく秋の花(秋の花)2011/10/2
068百日紅街道北へ帰るらむ(百日紅・夏)2011/10/2
069便りせよ木犀週間過ぎ去るぞ(木犀・秋)2011/10/8
070分解して組み立てられず秋の風(秋の風)2011/10/13
071あきかぜのすくらんブルーこうさてん(秋風)2011/10/15
072雁や河口は河の終わるところ(雁・秋)2011/10/22
073・2011/10/29
074飛行機雲ほぐれて秋の雲となる(秋の雲)2011/11/5
075冬耕の農夫の貌はキリスト似(冬耕)2011/11/12
076ゴム長の片方転び雪催(雪催・冬)2011/11/19
077焚火跡四囲の土より冷ゆるかな(焚火・冬)2011/11/26
078白き犬失ひし夜の虎落笛(虎落笛・冬)2011/12/3
079虹色の路上の油雪降りだす(雪・冬)2011/12/10
080遺跡より冬満月の揚がりけり(冬満月)2011/12/17
081山眠る草食竜の背のごとく(山眠る・冬)2011/12/24
082凩や仏吐き出す空也像(凩・冬)2011/12/31
083くろぐろと空濡れてゐる時雨かな(時雨・冬)2012/1/7
084少年の己からくる雪礫(雪礫・冬)2012/1/14
085一月の卓逆立ちのマヨネーズ(一月・冬)2012/1/21
086春寒の地べたに冷ゆるえきすとら(春寒)2012/4/14
087あんいんすとーるできれば春の出来事も(春)2012/4/21
088射的屋で踵を浮かす春の雪(春の雪)2012/4/28
089春の窓極彩色のもの垂らす(春)2012/5/5
090鯉幟はためくほどに寡黙なり(鯉幟・夏)2012/5/12
091飛行機の影よぎりゆく麦の秋(麦の秋・夏)2012/5/19
092麦秋をたてがみ持たず抜けて行く(麦秋・夏)2012/5/26
093夏兆す象の口中桃色に(夏)2012/6/2
094藻臭帯び河より還る夕まぐれ(無季)2012/6/9
095雨の中車が撥ねる水溜り(無季)2012/6/16
096地下鉄が地上を走る蝉丸忌(蝉丸忌・夏)2012/6/23
097夏草にたゆたふ陸の破船かな(夏草)2012/6/30
098梅雨寒に深海嗅くなる友ら(梅雨寒・夏)2012/7/7
099図書館の弱冷房の会話かな(冷房・夏)2012/7/14
100浜草履海知らぬまま古りにけり(花草履・夏)2012/7/21
○透次第2句集「潟風」50句
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