→第1句集「眼光」50句 →第2句集「潟風」50句 →第3句集「起伏」50句 →第4句集「雷光」50句 →第5句集「残光」50句 →第6句集「剥離」50句 →第7句集「接岸」50句 →第8句集「浮游」50句 →第9句集「蒼穹」50句 →第10句集「道界」50句 →第11句集「半夜」50句 →第12句集「虚空」50句 →第13句集「暁闇」50句 →第14句集「月命」50句 →第15句集「遠景」50句
〇そろそろ記憶の欠片もうすく剥がれてくる世代。透次第6句集「剥離」。句集名は「路面より剥離の止まぬ師走風」より。その他、「石蕗に映る青空まで歩く」「ぼんぼやーじゅ横浜に霾る日」など。電網俳壇へさらなる透次50句が発信された。帯文:統治下の透次。泡沫出帆社(2016.7.9感光)
○透次第6句集「剥離」50句
251膝下を寒流よぎる立ち泳ぎ(泳ぐ・夏)2015/8/1
252立秋をはさむふたつの殺戮忌(立秋・秋)2015/8/8
253敗戦忌日向と日陰押し合ひて(敗戦忌・秋)2015/8/15
254県道に雨の轢かれて文の月(文の月・秋)2015/8/22
255・2015/8/29
256教室の誰話すともなき秋意(秋意)2015/9/5
257ひらひらり葉月の葉(葉月・秋)2015/9/12
258午後となる稲田一枚昃れば(稲田・秋)2015/9/19
259スリッパで歩く学校颱風裡(颱風裡・秋)2015/9/26
260首都圏の圏外にゐて雨の月(雨の月・秋)2015/10/3
261木犀落花白壁へ吹き寄せる(木犀・秋)2015/10/10
262長月ノ雨ノ痕跡発光ス(長月・秋)2015/10/17
263左眼の遮眼子秋の冷へ帯びて(秋)2015/10/24
264石鹸の銘消えかかる十三夜(十三夜・秋)2015/10/31
265秋風や豆腐喇叭の二音階(秋風)2015/11/7
266冬耕の足跡舗道へと消ゆる(冬耕)2015/11/14
267電網にひとしきり居てゐなくなる(無季)2015/11/21
268てのひらがあつまつてくる夕焚火(夕焚火・冬)2015/11/28
269杭打たれたる野面より枯兆す(枯れ・冬)2015/12/5
270石蕗に映る青空まで歩く(石蕗・冬)2015/12/12
271ながながとある霜月の路面文字(霜月・冬)2015/12/19
272路面より剥離の止まぬ師走風(師走風・冬)2015/12/26
273地球独楽宇宙の色で廻るなり(独楽・新年)2016/1/2
274年男誕生石はサファイアで(年男・新年)2016/1/9
275螢光の髑髏を握る懐手(懐手・冬)2016/1/16
276・2016/1/23
277天敵はあたたかな雨雪女郎(雪女郎・冬)2016/1/30
278理科室に棲みつく白衣春隣(春隣・冬)2016/2/6
279眸のなかに種火を熾すルオーの忌(ルオー忌・春)2016/2/13
280海市まで帰してあげるこの人形(海市・春)2016/2/20
281月光仮面の日光写真焼く(日光写真・冬)2016/2/24
282啓蟄の土もて埋める土の穴(啓蟄・春)2016/3/5
283青き踏む信号機より抜けだして(青き踏む・春)2016/3/12
284彼岸西風学校の額ガタガタす(彼岸西風・春)2016/3/19
285ぼんぼやーじゆ横浜に霾る日(霾る・春)2016/3/26
286花曇鉛筆文字の鉛色(花曇・春)2016/4/2
287室内の眼差となる花見茣蓙(花見茣蓙・春)2016/4/9
288王冠の裏ぎつしりと春の土(春の土)2016/4/16
289段々に鉄棒高くなるさくら(さくら・春)2016/4/23
290人の入口より入る春のZOO(春)2016/4/30
291セビリアの利発な女青嵐(青嵐・夏)2016/5/7
292薔薇五月外交官の居ない家(薔薇五月・夏)2016/5/14
293約束の鳥が露台に来る時刻(露台・夏)2016/5/21
294薪風呂のキンと鼻うつ遠花火(遠花火・夏)2016/5/28
295夏虫がこつこつ当るキハ18(夏虫)2016/6/4
296ビニル傘サドルに挿して梅雨に入る(梅雨入り・夏)2016/6/10
297麦の穂のやや傾きて極まりぬ(麦の穂・夏)2016/6/18
298校庭に雨脚刺さる五月雨忌(五月雨忌=村下孝蔵忌日1999・夏)2016/6/24
299ネクタイに首を差し出す半夏かな(半夏生・夏)2016/7/2
300納豆をぐるぐる混ぜてプールの日(プール・夏)2016/7/9
(透次第6句集「剥離」50句)
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