○技法俳句006・平仮名表記01・飯田蛇笏
○「をりとりてはらりとおもきすすきかな」(飯田蛇笏01)
○季語(すすき・秋)
【鑑賞】:全て平仮名表記の句です。語句を漢字で表記するのと、平仮名や片仮名で表記するのとではだいぶ印象が違います。すすきのなだらかにしなだれた様子が平仮名のやわらかさで十二分に表現されています。「折り取りてはらりと重き芒かな」とするとまったく違った俳句になります。
○飯田蛇笏(いいだだこつ)(1885~1962)
○好きな一句「芋の露連山影を正しうす」02
○季語(すすき・秋)
【Profile】:山梨県に生まれ、父の指導で句作をはじめた。上京して若山牧水と知りあい、国木田独歩に心酔するなど自然主義文学の感化をうけるいっぽう、ホトトギスの句会に最年少で出席し→高浜虚子の指導をうけた。虚子が俳壇をしりぞいたのを機に一時帰郷したが、1914年虚子の復帰を知って活動を再開、「ホトトギス」を代表する俳人となった。17年から「雲母(うんも)」を主宰し、孤高の姿勢で作句、著作活動をつづけた。句集「山廬(さんろ)集」、「山響(こだま)集」などがある。
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飯田蛇笏掲載句
03凍土にわが銭拾ふわれを見し(凍土・冬)〈方法・幽体離脱〉2011/1/13
04くろがねの秋の風鈴鳴りにけり(秋の風鈴)〈五感・聴覚〉2012/9/24
05白菊のしづくつめたし花鋏(白菊・秋)〈色彩・白〉2012/10/3
06鈴おとのかすかにひびく日傘かな(日傘・夏)〈特集・傘の俳句〉2016/6/11
07秋たつや川瀬にまじる風の音(秋たつ・初秋)〈五感・聴覚〉2018/8/7
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