○次元俳句006・反射(空間)01・西垣脩
○「梨をむくナイフに空の青去らず」(西垣脩01)
○季語(梨・秋)
【鑑賞】:続いての次元俳句は「反射」。「反射」とは、媒質中を進む光・音などの波動が、媒質の境界面に当たって向きを変え、もとの媒質に戻って進むこと(大辞泉)。この場合の媒質の境界面はナイフの刃。空の青色がナイフの面に当たって作者の眼に飛び込んで来ます。
○西垣脩(にしがきしゅう)(1919~1979)
○好きな一句「片蔭をうなだれてゆくたのしさあり」02
○季語(片蔭・夏)
【Profile】:大阪生まれ。1937年、松山高等学校(現愛媛大)に入学。松山高校俳句会に入って、同校教授の川本臥風の指導を受ける。1940年、俳誌「石楠」(→臼田亜浪主宰)の幹部であった臥風の誘いにより同誌に参加。同年、東大文学部国語国文学科に入学。戦後、とだえていた「石楠」への投句を再開。1954年、明治大学法学部助教授となり、以後、晩年に至るまで同大学に在職。1956年「明大俳句」が創刊され、以後その指導にあたる。同年「石楠」が終刊となり、俳誌「風」(→沢木欣一主宰)に同人として参加。1957年、俳誌「皿」を創刊、主宰。
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西垣脩掲載句
03さはやかに空映しつつ眼鏡拭く(さはやか・秋)〈次元・反射(空間)〉2012/9/23
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