思いつくままに

ゆく河の流れの淀みに浮かぶ「うたかた」としての生命体、
その1つに映り込んだ世界の断片を思いつくままに書きたい。

原子力発電所と国防

2012-12-31 00:22:01 | 随想
 

   安部首相は原子力発電を継続する考えとのことだ。石原慎太郎氏もそうだ。また、共に、国防軍を作って、国の守りを固めるという考えも持っている。核武装も考えているようだ。石原慎太郎氏が原子力発電を継続すべきだとするのは、核兵器の材料としてのプルトニウムが手に入れられるからでもある。二人共かなり好戦的である。彼ら自身、そしてその子供、孫などは、決して最前線で命の危険にさらされるようなことはないと確信しているからだろう。しかし、国防と原子力発電の継続、推進は矛盾していると思う。

  それは、他国と戦争になったとき、まず狙われるのは原子力発電所ではないかと思われるからだ。福島の事故でも明らかになったように、たった1箇所の原子炉が破壊されれば、とんでもない広い地域が放射能で汚染されることになり、日本は大混乱に陥るだろう。その経済的損失も計り知れない。尖閣諸島や竹島のような無人の小島と違って、それより広大で、いままさに、人が生活し、経済活動を営んでいる地域を遠い将来にわたって失うのだから。そうするためには、核兵器で攻撃する必要などない。放射能汚染という側面から見れば、核兵器など比較にならないくらい多量の放射性物質を拡散させる能力を持ったものを、日本そのものが全国各地に抱えているのだから、その能力をミサイルで開放してやればよいだけのことになる。数カ所をミサイル攻撃し破壊すれば、日本は戦争などしていられないという状態になるのではないだろうか。福島の事故を体験した日本人であれば、だれでもすぐに想像できることである。軍事の専門家はどう考えているのだろう。原子力発電所を攻撃するのはピンポイント攻撃であり、それは困難ということなのだろうか。しかし、イスラエルは、パレスチナの抵抗勢力の幹部のいる建物や自動車をピンポイントで狙い、殺害を成功させている。また、無線で操縦される爆撃機というものがあり、GPSなどを使って確実にターゲットを破壊する技術もすでに存在する。

  もし戦争になったとき、原子力発電所をピンポイントで攻撃できるとすれば、日本という国は、非常に危険なものを、50基以上も抱えていることになる。先頃、北朝鮮は大陸間弾道弾になり得るロケットの打ち上げに成功したようで、その方面の技術力を高めている。核兵器の開発もすすめているらしい。勇ましい人たちは、尖閣問題で中国、竹島問題で韓国、北方領土問題でロシアなどと戦うことも考えているようだ。彼らにとって敵は多く、日本のお隣はみんな敵のようだ。太平洋を挟んだ遠くのアメリカだけが頼れるお友達ということだろうか。しかし、日本と戦争をしようと考えている国があるとしたら、核爆弾を落とすより、現有の通常兵器で原子力発電所を破壊することを考えるのではないか。その方がより大きなダメージを与えることができるわけで、それらの国は、このたびの新政権による原子力発電継続、推進政策を喜んでいることだろう。

  戦争に備えて国防軍を作ろうということなら、まず、国中の原子力発電所の防備を固めなければならない。パトリオットPAC-3ミサイル防空システムというものが、どれほどの防御力があるのかはよく知らないが、すべての原子力発電所に配備する必要があるのではないか。大変な費用がかかりそうである。迎撃ミサイル1発でおよそ3億円らしい。しかし、ミサイルでミサイルを撃ち落とすのは非常に難しいそうだ。マッハ10くらいの速度で落ちてくる弾頭を、マッハ4~5の迎撃ミサイルで撃ち落とすというのは、ピストルの弾でピストルの弾を撃ち落とすことに匹敵するほど難しいことらしい。特に、大陸間弾道弾のように、高高度から高速で落ちてくる弾頭の場合、迎撃はほとんど不可能だとも言われている。

  このようなことを前提にすれば、本当に戦争することを考え、国防というものを真剣に考えている人たちがまずなすべきことは、原子力発電所を直ちに廃止することではないのか。増設、新設などもってのほかである。すでに保有している未使用の核燃料を含め、大量の高レベル放射性廃棄物は地中深く埋めて、攻撃によって拡散することがないようにすべきではないか。国防と原子力発電所の保有は矛盾している。


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