今回は女子ゴルフらしからぬ、男子ゴルフ顔負けの「マッチョな殴り合い」が見られて、面白い勝負だった。岩井ツインズの妹「千怜」は去年デビューの新人ながら、その鍛え上げた身体はアスリートと言うより「格闘技選手」かと見まがうばかりの堂々たる体躯で威圧感が半端なくエグい。パッと見には「大谷翔平?」と見まがうばかりの筋肉の盛り上がった肩回りをして驚きだ。対する「神谷そら」はこれまた「恐怖の飛距離モンスター」の名を欲しいままにしていて、去年の新人なのにもうドライビングディスタンス部門で平均256.23ヤードを叩き出し、2位に入っている豪打の持ち主だ。ちなみに1位は渡邉彩香の256.59ヤードで、その差は0.36ヤードしかない(殆ど同率1位という感じだ)。3位に穴井詩、4位に葭葉ルミと、おなじみの顔が並ぶ。しかしここからが今年の特徴で、5位と6位にこれまた新人の「荒川怜郁と竹田麗央」が入っているから凄い事になっているのだ。そして堂々7位に入っているのが「岩井千怜」である。ここまでで新人が4人。殆ど内容が新しく入れ替わった感じである。そして8位にまたまた新人のステップアップ年間5勝のルーキー「櫻井心那」、9位に苦労人「野沢真央」が入っているが、10位にはアメリカ帰りの異色の選手「泉田琴菜」と続いていて、もはや「原英莉花」の246ヤードが霞んで見える若手の華々しい勢いが止まらない。
ちょっと私が驚いたのは12位の内田ことこや14位の佐藤心結はそもそも「飛ばし」で売り出している若手なので納得の順位であるが、13位の小祝さくらと15位の新垣比菜はイメージと違って「意外と飛距離を伸ばしてる」ことである。今までどちらかと言うと、飛ばしよりは「正確さ」でスコアを作っている選手だと思っていたので、今年のこの順位は驚きである。多分、新垣なんかは相当トレーニングに時間をかけていたんだと想像される。さらに言えば「鈴木愛」も18位で、平均飛距離が242ヤードと「意外な飛ばし屋」でビックリした。ゴルフでプロを目指す女子の中でそのまた何%しか受からないプロテストを勝ち上がってツアーメンバーとして登録し、尚且つ「レギュラーツアー」という国内最高峰のカテゴリーに挑戦する200人余りの「言うならばゴルフの天才」の集まりの中での18位である。鈴木愛が如何に凄いかがわかろうというもの。それを平均で10ヤードもオーバードライブするのだから、渡邉彩香や神谷そらはもうアマチュアからしたら「異次元の飛距離」を持っていると言えよう(ちなみに私は、ゴルフパートナーのビデオ計測で176ヤードが最高である・・・涙)まあ16位の藤田さいきが244ヤードだから、鈴木愛とそれほど違わない(勿論平均で2ヤードというのは簡単な差ではないけど)。しかし40間近の藤田はマジに凄いと思う。41歳の全美貞が234だから、ほぼ10ヤードの差がある訳だ。やはり「飛ばしは若さ」と言われる所以である。しかし今回惜しくも16番まで首位をキープして初優勝まであと一歩とファンを歓喜させた「安田祐香」が、飛ばしでは「57位232ヤード」と平均値だから、優勝の神谷そらの2位256ヤードとは「24ヤード」も違っている(うそだろ?)。これじゃあ相当アプローチとかパターで頑張らないと、優勝争いをするのはキツイというのは誰でも分かる話。ただ、何でそういう「非力な選手」がトップで頑張れるかと言うと、小技が上手いのは勿論だが、飛ばし屋の方に「フェアウェイキープ率とかパーオン率とか」でまだまだ思った通りにいかない部分があり、そこでは全然「安田の方が上」なのだろうと思う。
それを言うならば、今年上位に入ってツアーを賑わせている選手達のドライビングディスタンスを調べてみると、例えば「尾関彩美悠」は232、「山下美夢有」は230、「申ジエ」が意外と頑張っていて231、ディフェンディングチャンピオンの「高橋彩華」は225で.今年絶好調の「ささきしょうこ」が225、こないだ優勝した「吉本ひかる」は223と、軒並み飛んでない(それでも私のゴルフ仲間で言えば、我々の遥か先まで飛ばしているのだが)。私の推しメン「永井花奈」は残念ながら228で平均のやや下であり、もう一人の好きな選手である「三ヶ島かな」は227と、どちらも飛ばない方に入っているのだ。こないだ見事なゲーム運びで圧巻の勝利を収めた「青木瀬令奈」なぞはさらに一段と飛ばない「217」と低迷していて、もう可哀そうで涙がちょちょぎれる位飛ばないのだ。今年からアメリカツアーに挑戦している「西村優菜」も飛距離で苦労しているらしく、今回シェブロン選手権で飛ばしてる女子は290ヤードとか飛んでいるのでもう全く話にならないらしい。試合後のコメントでは「ちょっと弱気なコメント」も出ていたので、撤退を考えているかも知れない(分からないけど・・・)。それでも古江彩佳などはゲームでは結構上に行ってる選手もいるから、ゴルフは「飛ばしだけではない点が面白い。そこで今回のフジサンケイは蛇とマングースの戦いよろしく「飛ばない」安田祐香vs「劇飛び軍団」神谷そら・岩井千怜・荒川怜郁の息詰まる激突が「見どころ」だったわけである。
16番を終わった時点で勝負は安田に決まったかに一瞬見えた。が、それで終わらないのが川奈のラスト2ホールの「悪魔的な打ち上げ」ホールである。安田は16番こそパーでしのいだが、17・18とミスを重ねて連続ボギーで一歩後退。最後はキャディに慰められながら、涙を流すシーンがテレビに大写しになっていた。川奈はフェアウェイが狭くてうねっている上に、グリーンが高麗でパターが尋常じゃなく難しいので有名である。青木瀬令奈が川奈のグリーン攻略法を「真ん中か、気持ちヒール目で当てる」と言っていたのが印象的だ(まあ私なんかはどこに当てたって、相変わらず「あっちゃこっちゃ」へ転がって困ってるけどねぇ、・・・笑)。この難関17番で「神谷そら」が奇跡的にバーディを取れたことは大きい。さらに言えば最終18番なんか強烈な打ち上げになっていて、落としどころが狭い上に「周りが崖」や深いバンカーに囲まれた「見上げるような砲台グリーン」になっているから、毎年ドラマが生まれる名物難所なのである。例年はここで上位陣に「何かが起きて」ガタガタっとゲームが動く勝負のキーホールになっていて、やはり安田は「川奈にやられて」で首位の座を明け渡してしまった。
14本のクラブの殆どをウッドで揃えて「針の穴を通すような精密さ」で果敢に攻めて来る青木のようなゴルフも勿論素晴らしいのだが、やはり我々見る側にとってみれば豪快なドライバーショットで簡単に距離を稼ぎ、ショートアイアンでデッドにピンを狙ってくる「腕力勝負」が、迫力あって面白かった。特に今回の「底抜けに明るい」岩井千怜vs「根っからの笑い上戸」神谷そらの「正面からのガチの殴り合い」は見ていても良く出来たエンタメになっていて、女子ゴルフには珍しい「極上の筋肉バトル」を存分に楽しませてくれた白熱のゲームであった。惜しくも届かなかった「荒川怜郁」などもメンバーに入れて、マッチョな女子ゴルファーだけ集めて「筋肉ゴルフ大会」とかやってくれると大いに受けるんじゃないだろうか。勿論男子の河本力とか蝉川泰果とかもものすごく飛ばすらしいから、筋肉女子の爆発的なマン振りと合わせて「テレビ的に視聴率が上がる」番組になるのは請け合いだと思うんだけど、どこかの局でやってくれないかなぁ?。いつも優勝した選手の涙ばっかりをみせられてちょっと食傷気味だから、こういう「剛腕で力で捻じ伏せて」勝者が雄叫びを挙げて高笑いする、ってのもスカッとして面白いと思う。まあ、プロレスをみているような感じで「ストレス発散」させてくれる要素満点の、ファン心理をくすぐる「エンタテイメント」として私は絶対視聴率上がると思うので、是非企画して見てください。・・・私からのお願いでした。
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