そもそもマイナンバーは、政府が色々な部門でバラバラになってる事務作業を「一元管理」するというのが本来の目的である(本人達がどう思っているかはわからないが)。要するに、事務作業の合理化だ。特に事務作業で一番の無駄な作業と言えば、何と言っても「戸籍」である。現代では世界の中で「日本と中国と台湾のみ」が戸籍制度を維持運用しているという(知らなかった~!)。しかもその戸籍が、何より面倒で「間違いが発生しやすい構造」になっている、というのはご存じだろうか?。例えば国民を誰か特定するのに戸籍が「漢字」で登録されていて、ヨミガナが振られていないために「本当は何と呼ぶのか?」が誰にも分からない仕組みになっているのだ!(ガビ~ん!)。
日本国民の基本中の基本である戸籍台帳が、実は個人特定のためには「全然役立っていない」のである。例えばある夫婦が子供を産んで、その子に「佐藤太郎」と名付けたとする(あくまで例である)。この佐藤太郎という名前が実は「全国にたくさん存在する」から、佐藤太郎といっても「どこの人か」を聞かないと本人特定は出来ないのだ(こんなシステムって、ある?)。極端に言えば「同じ町で同姓同名」だって、十分ありうるのである。役場は同じ名前が既に他に登録されていても、一切お構いなく「新規に登録を受け付ける」からだ(親子で同じ名前というのは、流石に受け付けないらしい)。そこで世の中では昔から、何かっていうと本人特定のために「住所・氏名と電話番号」をセットで書いていたのである。何とも原始的で面倒くさいじゃあアーりませんか!(私は脳梗塞を患って以来右手が麻痺しているので、字を書くのが大変なのだ。それで初めてこの「住所・氏名・電話番号を書く」という事に疑問を持ったわけである)。
おまけにこれが一度、国民に何か政府で一括給付などのサービスをするとなると、ちょっとした名簿作成でも「入力チェック」がそりゃあもう「天文学的な作業」になるのである(あ~面倒くさ!)。おまけにそこに掛かる「時間も人手」もすべて、我々の税金なのだ。しかも個人の本人証明である戸籍台帳というのは未だに「市町村単位の管理」になっていて全国一元管理されてなく(私の理解)、何を確認するのでも「わざわざ本籍地の役場」に問い合わせなければ「公的証明書」が得られない仕組みになっているのだ。あ~もう、切りが無いわ!、何とかしてくれ~!!
ことほど左様に、ちょっと前までは「戸籍謄本」を取りよせるだけで、現地に取りに行くか返信付き封筒で送ってもらうか、とにかく大変な手間が掛かったものなのである。それがマイナンバーが出来てからは「コンビニでサササッと印刷出来る」のだから、何でもっと早くやらなかったのか?と政府の改革の遅さに「ウンザリ」したくらいでホント楽になった。これから更にどんどん便利になっていくと言うのだから、一体人々は「何を反対してる」のだろう?。これが私の「マイナンバー論争に対する疑問」である。最近聞いた話では、どこかの市で署名運動までして反対している人がいるという。到底私には理解できない事である。
まあニュースなどを見ると人々が反対してる一番の理由は、マイナンバーが普及すると個人の情報が漏洩して「犯罪に悪用される」と心配しているらしい。別にそんなこと、いままで名前を漢字で書いていたのが「12桁の数字に変わるだけ」で一体何が変わるというのだろう?、知りたいくらいだ。今までだって悪用しようとして情報を取ろうと思えば、いくらでも方法はあったのである。マイナンバーだからって「番号を打ち込みさえすれば何でもかんでも」情報が芋づる式に出て来るわけじゃ無いのだ。そこを勘違いしているんじゃないだろうか(政府の担当者も良く分かっていないと思う)。
だからマイナンバーの運用に必要なことは、先ず国民に全体像をはっきり衆知でしめることである。それは例えば・・・
① 本人確認の方法を明示・・・ある番号が「自分の番号であること」を証明する方法である。これは今後とも専門家の研究が必要だろうが、今は取り敢えず「カードと顔認証」のシステムで運用しておいて問題ないと思う。もっとサービスが多岐にわたってくる段階で、より精密な認証方式に変えたらいいのでは。要するに今は過渡期だから、それなりの方法で我慢するしかないと思う。それより普及率が大事だ。
② アクセス権限の制限・・・アクセスする人はマイナンバーで本人確認出来た者だけに限定し、しかも「権限のある項目」しか参照出来ないものとする(つまり一般の人は、アクセスすら出来ない)。当然アクセスする度に「アクセス通知」を送ることになる(後述)。例えば病院なら医療関係のみが参照範囲に限定される。
③ データセンターを政府と民間の二か所にし、災害やその他でデータが安全に保管されるようにする。また、政府がマイナンバーを悪用出来ないような仕組みを作る・・・履歴管理と保存方法を明示。
④ 双方向の連絡・通知に使えるように「メールアドレス」を新しく付与する・・・マイナンバーの専用メールアドレスを各人必ず一つ持っていて、マイナンバー庁(私のつけた仮名です)と個人の連絡用に使う。マイナンバーの情報を誰かが取ろうとした場合は、必ずアクセスがあった時すべてに「自分宛てに確認のメッセージ」が届き、それを「承認する」と初めてアクセスして内容を見ることが可能になることするなどが考えられる。勿論、アクセス者は本人認証済みで、どこの誰かは「マイナンバーが表示されているので」調べれば分かる。もし政府が必要なデータを見るためであれば、役所名と部署・氏名などを表示させるのも可能である。しかも閲覧制限に従った権限があり、何の目的でデータを参照するかを明示することで、セキュリティも保たれるのではないか。もし聞きたいことがあれば「メールで問い合わせれば」確認が取れるというのも必要だと思う。
以上、私なりのマイナンバー制度に対する賛成意見を書いた。何よりマイナンバーとは、戦前から続いている「戸籍制度」の古めかしい仕組みを根底から改め、現代風の市民生活に必須な「個人の権利と自由」を守る制度に変える画期的な方法である。色々と問題はあるかも知れないが、反対するくらいなら「こうしたら?」という提案をしていくほうが、より建設的なんじゃないだろうか?。
何でも新しいことには反対する人がいるものである。そういう人は昔からの戸籍制度で生活すればいいと思うし、無理強いする必要もない。マイナンバーは活用したい人だけで運用していけばいいのでは。何れ年寄りは寿命が尽きて若い世代と入れ替わるだろうし、その便利さが分かる人だけで運用するのも面倒な反対がなくて、やりやすいかも知れない。但し、古い戸籍制度は管理するにしても運用するにしても「恐ろしく人間の時間と手間」が必要である。当然、それにかかる費用も莫大にならざるを得ない。もし戸籍制度を維持しようとするなら別途「新しく税金を創設して」、マイナンバー制度に切り替えて構わない人と、そうじゃない「昔ながらの制度がいい人」とで税金を分ける必要があるだろう。これは資本主義における「利用者負担」の原則である。
はてさてマイナンバー制度と市町村の戸籍制度と「どちらがお金がかかるか」、一発試してみようじゃないか?。そして利用者がどの位いてそれにどの位政府や市町村の人員が掛かるか、である。いまに戸籍謄本を一枚取り寄せるのに「一か月かかって、手数料は10万円です」なんてことになっても、私は一切関知しないからそのつもりで。
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