今まで余り深く考えてこなかったが、どうやら立憲民主党は政権を取ろうという気が「無い」みたいに見えますねぇ。
そもそもが選挙とは、それぞれの党が主張する政策を比較検討したうえで、どれが日本の現状を改善するのに一番効果があるのか?、で選ぶものだと私は思うわけです。例えば軍事費を増やして防衛力を増備するのかあるいは外交能力を磨いて近隣諸国と紛争の無い平和裏な解決を目指すのか?、または自然エネルギーを最大限活用する方法で輸入に頼らなくても生活出来るようにするのかそれとも原発を再稼働して手っ取り早く安定供給を手に入れるのか?、さらには株や投資をもっと増やして金融取引の増大による税収増加をもくろむのがあるいは基本に立ち返って農林水産業を強化し実体経済の成長による日本全体の底上げを狙うのか?・・・云々でしょう。つまり今後の日本がどういう国家を目指すのかという「大きな枠組み」を示して、その上で国民の選択に任せるべきです、それが本来の選挙が意図している「民意」だと私は思います。
その民意が定まった後にその政策に沿って具体的な施策が計画・実施され、結果どのように民意が実現できたかを検証してその実現具合を査定することで「党の評価・政治家の評価」が問われるわけです。選挙では発想力やデータ分析力及び計画能力、そして実行力と判断力などの個人の総合的な能力も評価されるのではないでしょうか。ところが、今回の選挙は裏金問題をウヤムヤにするのかキッチリ落とし前をつけるのか?という、本来の政治の枠組みとは一見関係ない「政治家の倫理」を譴責する選挙という些末な問題、言うならば「政治以前」の人間の常識を糾弾するものになってしまったのは残念至極です。
その些末な選挙で国民の評価が出された結果自民党が議席を大きく減らしてその分立憲民主党が大躍進し、その他の国民民主や泡沫右翼も議席を伸ばす一方で公明と維新は大幅に沈んだわけです。要は裏金議員の処分に甘い党が軒並み落っこちて、その分野党に流れたという「判り易い」選挙でした。ただ立憲は政権交代を声高に叫んでいる割には、政権を担った場合の「具体的な構想」が余り鮮明ではなかった点がイマイチ票が伸びなかった原因でしょうか。積極的に立憲民主党を支持するという人は「それほど増えていない」ようにも見えます。それと何かと話題の国民民主党は4倍に議席を伸ばして破竹の勢いですが、「いざ首相指名」となるとどうも自民党寄りの「本性」がミエミエで、いずれ自民党に吸収されそうな雰囲気もあり、先行きは全く不透明です。
私の見立てでは、野田代表が首相指名を得て立憲が野党連合と連立を組み、「政権を取る」というのはどうも無さそうです。
立憲の低調さに比べて期待がうなぎ登りに高まっていて、今やマスコミに引っ張りだこなのが国民民主党の玉木代表ですね。彼は本来は「自民党と方向が同じ」で、立場上は野党になってはいるが「第二自民党」と考えるのが妥当のようです。103万円の壁を取っ払って国民の手取りを増やす、というのは「大きな枠組み」の問題ではなく、言わば税制改善の方策で「経済政策の方向性」から言ってもそれほど今の自民党のバラマキ政策と変わるものではないのかな?、というのが私の考えです。玉木代表が「立憲とは組まない」と事あるごとに明言しているのは、国民民主党の性格をはっきり現わしいるのじゃないでしょうか。
それに引き換え維新は国民民主党より「議席が多い」のに、このところテレビの政治関連番組にも呼ばれなくなっているようで存在感が超薄〜いです。公明も大阪地区で全選挙区惨敗し、新新首が気合をいれて勝負をかけた選挙区で「まさかの落選」という大失態・大恥をかいて辞任しました。支持母体の創価学会も存在感を失って、連立の役割もお先真っ暗という体たらくです。やっぱり国民は、創価学会には政治に口を出して欲しくないんだと思います。
さて、この政界大再編の激動の渦の中で、今後の日本政治の行方は一体どうなるのでしょうか。まずは首相指名で石破自民党が総理大臣に選ばれるのは確実だろうから、その上で国民民主党の公約である「103万円の壁撤廃」が実現するのかどうか、さらには撤廃して日本経済が8兆円の減税をどのように穴埋めするのか、を見守るとしましょうか。まだまだ明治維新の「日本解体」再現は、今少し先送りになりそうです。
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