明日香の細い道を尋ねて

生きて行くと言うことは考える事である。何をして何を食べて何に笑い何を求めるか、全ては考える事から始まるのだ。

ニュースに一言(13)ロシアの逆襲

2022-04-03 20:39:15 | ニュース

この所のワイドショーなどの戦況報道は、ウクライナの悲惨な状況とロシア軍の非人道的な作戦、それに対して頑張ってロシアを押し戻しているウクライナ軍の健闘振りという、あいも変らぬ一方的な「ロシア敵視」で、見ていてウンザリするものばかりだった。ロシアはちょっと攻めればウクライナがすぐ降参すると思っていたのに、長引いて膠着状態に陥り「プーチン」が焦って来ている、というのが大体の見方であろうと思う(私は殆ど見ていないので良くは知らないが)。

ロシアのウクライナ侵攻に西側は武力で対抗する代わり、一切「ロシアと取引してはならない」という強力な経済制裁を実施した。ロシアの高官などの資産凍結も実行している。ロシアは天然ガスや石油を売ることが出来ないので、収入がなくなり国家財政が破綻して、その昔ソ連が崩壊したように、ロシアも何れ政権が民衆の不平不満で倒れて、「民主主義の国になるだろう」というのが米国の読みだった。ロシアは市中のスーパーなどから品物が無くなり、市民の怨嗟の声が国中に満ちてプーチンは窮地に立たされている、・・・筈である。

ところが実はロシアは全然困ってなくて、困っているのは逆に西側諸国の方だという。EU特にドイツは「燃料の天然ガスをロシアに依存」しており(4割がロシアからの輸入らしい)、金融制裁中もガスをロシアから輸入し続けていた(マジかよ!)。そこでこの4月1日にロシアは一発逆転の秘策として、「ルーブル払いでなきゃ天然ガスを売らないよ」作戦に出た。今の所EUはルーブル払いを拒絶しているようなので、ロシアからのガスは「止まっている」と思われる(確定情報では無い)。

これはドイツなんかもある程度予想していて、市民に「寒かったらセーターを着て!」とお願いしているようだが、果たしていつまで持つか。もしEUが折れてルーブル払いをするとどうなるのだろう?という問題。

それに対する経済音痴の私が必死で考えた「予測」を書いてみたい。勿論、全くの素人考えなので、専門家から見たら「バッカじゃねぇの?」となることも十分有り得ることは承知の上である。が、とにかく予想するのは自由だから、私の底の浅い考えが「どこまで現実に通用する」のか、試しに見てみたいということで書いてみた。問題を解くカギは「通貨と輸出入の仕組み」である。

私の予想

① 今までは世界は「ドル決済」で自由に取引していた
② 自国通貨との為替レートは、両国間の経済力の差で決まる
③ 相手国からどうしても輸入したい品物があれば、力関係から自国の為替レートは当然安くなる
④ 日本はアベノミクスで円安を誘導したが、どうしても石油やガスを他国から輸入しなくてはならない点は変わらないので、実際は日本の経済力は「落ちて」いった(これは事実である)
⑤ ロシアは何も輸入しなくても食べていけるが(生活程度は貧しくなるが)、EUはガスが買えないと死活問題である
⑥ 中国・イラン・サウジアラビア・インド・アフリカ諸国なども「アメリカ文化」を輸入しない限り、お互いの取引だけで食べていける
⑦ EUや日本・韓国などは仕方ないのでルーブル払いで石油を買わざるを得ない。そうするとルーブルが必要になるので、ロシアに何かを輸出せざるを得なくなる(ロシア制裁は出来ない)
⑧ ドルは基軸通貨でなくなり、これからはドル・元・ユーロ・ルーブルなどの「地域ごとの主要通貨」で決済されることになる
⑨ 石油やガス・小麦・希少金属など、世界の重要な資源を持っている国々は「ロシア制裁に参加していない国々」が多い
⑩ つまり、日本は生きていくためにはアメリカから離脱して、「中国・ロシアと仲良くして」いかなければならない

以上である。

勿論アメリカが金融制裁を中止してロシア敵視をやめ、今まで通りの「自由経済」を続ければ別だが、あれだけロシアをボロクソに糾弾した以上は、「元に戻る」ことは有り得ないのではないだろうか。こういうことを予測しないで「ロシアは自由主義世界の敵」と簡単にウクライナ擁護に賛成する人は、世界における「日本の立場」というものを考えていないと言える(このままでは日本はヤバい状況)。このままロシアが石油やガスの「ルーブル縛り」を継続した場合は、日本は「対ロシア制裁を止め」ざるを得なくなるのだ。もしそうで無い場合は、日本はこの先4、5年は、いろいろな物資の輸入不足による「インフレ」に耐えなければならない。・・・ああ、困った困った。

私としてはアメリカと仲良くして「石油貧乏」になるよりは、そろそろ中国・ロシアと仲直りして、「安定した生活」を目指したほうがいいんだけどねぇ・・・(ちなみに韓国は、いち早くロシア制裁には参加しないことを表明しているそうだ。頭良い〜!)

私の考えでは「戦争」と言うのには必ず「理由」があり、昔の「モンゴル」が世界中の財産・貴重品を奪うために征服を繰り返したような「略奪」と言うのは、今は儲からないし流行らなくなったと思う。フランス革命以来の国民国家という考えから「軍隊は国民が主体」になり、戦争も貴族が国を所有物とする争奪戦から「国民が自らを守る戦い」へと変化していったのである。ウクライナへのロシアの侵攻という問題は、2000年代初頭からのドンパス地域での紛争を解決するために、ウクライナとロシアそれに EU などが「ミンスク合意」なるものを決めていたのに「それらを破って」戦闘が継続していることから起きたことである(どちらの言い分が正しいかは分からない)。

しかし現地で戦闘に関わっている人々の気持ちは別として、「ロシア侵攻と英米西側諸国の経済制裁」という現実の結果を見れば、ウクライナ問題の「本当の目的」はロシアと揉め事を起こし、ロシアを「自由主義世界から完全に締め出し」てロシアを疲弊させ、ロシアという共産主義国家を「破滅・解体に追い込む」ために起こした「捨石作戦」のように見える。現代では直接の戦闘行為で相手を粉砕するのではなく(それでは核戦争になってしまって、経済的打撃が大きすぎる)、アフガンのような周辺国で次々と紛争を起こして人的経済的に戦争が長引き、国民の不満が高まって「ついに自滅」させるというのが常識だ。ついこの前もカザフスタンで政権転覆事件があり、ジョージアやキルギスやセルビア・コソボ・クロアチアなどの紛争地域では常に「揉め事」が後を絶たなかった。

しかしポーランドのように「ロシア憎し」で国民が凝り固まっているという国は段々珍しくなってきて、あちこちの紛争は徐々に収束し「融和的に解決」の方向に向かっているようである。ウクライナ人は元はと言えばロシア人と同族のコーカサス民族の一部であり、決してロシアと敵対するような人々では無かったはずなのだ。それがなぜ「ゼレンスキー」のようなコメディアン上がりの大統領が国民の代表になって、今こそ「ウクライナの自由」のために死ぬまで戦うのだ!などと無茶苦茶なことを言い出しているのか、よーく考える必要がある。「共産主義のロシア」だって、人々はマックでハンバーガーを食べ、コーヒーを飲み、サッカーを楽しんで普通に生活しているわけだし、何もヨーロッパと変わらないのである。違うのは一部の「金持ちと政府高官」だけだ。我々平民は、「どっちの体制」でも同じである。何も「血を流して戦う」ほどのことは無いんじゃない?

つまりウクライナの問題は、世界的な勢力による大きな戦いに「利用された」戦闘では無いのか?、ということだ。その答えが「しばらく見ていれば、徐々に明らかになって来るはずである。その第一手が「ガスプロムの代金はルーブルで払え」という、プーチンの秘策である。

(これは私の愛読する『田中宇の国際ニュース解説』というサイトから得た情報を、「私が勝手に解釈」して考えた予測です。全ての責任は田中氏でなく「私」にありますのでお間違えのないよう。なお、正しい情報は上記サイトの「無料版」で見られるので、是非参照して下さい。マスコミに報道されない「世界の本当の姿」が詳しく解説されているので、オススメです)


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