1、株価は実体経済と別物
リーマンショックでローン・バブルがはじけた後、各国の中央銀行は金融界を救済するために紙幣を増刷して(QE)見かけの経済を立て直した。紙幣を増刷するとインフレになると言われているが、その「金余り」が全部株に向けられたために、実体経済が不調のまま株式は過去最高の伸びを示している。これはもう、株式市場は現実の経済の動きとは別物になっているとしか言えない状況だ。さらに言うと、日本では黒田日銀総裁が異次元の金融政策を発表して以来、アベノミクス最強と浮かれて経済が活性化したような気になっていたが、実際はどんどん地盤沈下が続いていたのだと言う。いま日銀がETFとかで株を買い続け、上場されている殆どの企業において「日銀が筆頭株主」になっているという情報もあるようなのだ。もしこれが事実なら、もう株式市場は「崩壊」している。要はざっくり言えば「株がインフレ」しているわけである。これは相当にヤバイ状況だ。だって、経営が上手く行ってないのに日銀がどんどん株を買ってくれるから、そりゃあ株だって上がるわなぁ(私は買ってないけど・・)。マスコミもそれを知っていながら一切報道していないっていうから、これはもう「詐欺」みたいなもんじゃないだろうか。何れ、全てが明らかになって株が暴落する日が来るのは確実だから、怪我しない内に素人は撤退したほうが身のためだと思う(まあ、どっちにしろ関係ないけど)。それにしても、コロナで倒産・休業が相次いでGDPもガタ減りという不況一歩手前の現状は、この先ますます出口が見えなくなって「弱者しわ寄せ」が加速するだろう。なによりも「消費力」の落ち込みが決定的なのだ。日本人は特に「流されやすい体質」だから、消費税が「上がる」というだけで消費が「どーん」と落ちるのである。これは過去の消費税値上げの時の影響から言っても、正しいだろうと思う。そして、その影響の方向が「値下げ競争」に出てくるというのが「日本社会のデフレ体質」なのだ(精神論だが当たっている)。たかが2%の違いなのに、その値上げが社会全体の経済活動を「キュッと縮小」させてしまう日本人の精神構造が問われているんじゃないだろうか。とにかく国民が最低限、「毎日の生活」に困らない状況を作って欲しいものである。先進国と言うためには、せめてその位のことは出来ないといけないし、また出来る筈である。
2、菅首相の危ない体質
またまた菅首相が弱っている。文春によれば菅首相の長男が利害関係のある公務員と会食した、という問題だ。菅首相は息子を「別人格」と答弁していたようだから、もう自分には関係ないという立場である。勿論、菅首相の言っていることが正論なのだが、国会で追及されている総務省の秋元局長の答弁を聞いていると、又しても「記憶にない」という呆れはてたウソで隠し通そうとしていた。これが録音テープが暴露されてしぶしぶ認めざるを得なかったわけだが、もう「覚えてない」というのはナシに出来ないのだろうか?。これは菅首相に限らないが何でもかんでも国民の目から隠して、肝心なことは密室でやってしまおうという「隠蔽体質」が抜けていないというのは印象が悪い。 菅首相はマスコミとの対話も嫌っているように見えるので、CIAとか公安とか、いわゆる「秘密警察の匂い」も感じられて国民には甚だ不評である。昔の小泉純一郎元首相などは国会で中東派兵を追及されると、どこが紛争地域かなんて「私に分かるわけが無いじゃないですか」と言い放って大喝采を浴びた。こういう「自分に正直な人」は、多少緻密さに欠けてはいても信用できるのである(あくまで私の個人的印象です)。その点、菅首相はコンプレックスがあるのかどうか知らないが、考えていることを表に出そうとしない性格で「信用ならない」風に世間からは見られてもしょうが無い。今回の息子の疑惑で言うならば、国会答弁した官僚には「事実を正確に答えよ!」と叱責するぐらいの気概が欲しい(まあ、実際は難しいだろうけど)。件の官僚は後日更迭されたということだが、やってはならないことをしたのであれば「事実を明らかにした上で、厳罰に処す」のが本当のリーダーというものではないだろうか。中国には「泣いて馬謖を斬る」という諺がある。部下に厳しくするためには、菅首相には「今以上に自分を厳しく律する」ことが求められるのだ。というわけで、菅首相が次期選挙で安倍首相からの脱却を挙げるのなら、なんにも増して「正直」な態度が要求されるだろう。まあ、年取ってから「正直な人間」に変わるっていうのは、私は無理だと思うけど。
3、ワクチン接種の遅れは人災
イスラエルでは人口の半分以上の人がワクチンを打ったらしい。それに比べて日本の対応は随分遅れている。一つは、ヨーロッパでの接種実績が既に何十万人もあるワクチンなのに、日本人に適合するかどうか改めて検査・承認するので時間がかかるという点。これはヨーロッパ人に比べて日本人がコロナに罹りにくいということがあるので、万一のことを考えて医学的には仕方がない面もある。2つ目は、輸入契約してもそのスケジュール通りに入ってこない問題である。これはEUなど製造国が自国民優先のために輸出制限を掛けているためだ。これは日本とEUとの「コロナ被害状況」を比較すれば、ある意味「そりゃあそうかも」と納得はする。ワクチンの価格については「利益を度外視」して安価に供給しているみたいだから、まあ少しぐらい遅れるのはしょうが無いとは思う。現実にコロナで壊滅的な打撃を受けている国からワクチンを打つのは、医療という観点からは当然とも言えるだろう。しかしカナダが既に全国民の6倍もの数を契約したというのはやり過ぎだと思う。やっぱり英米系の国は信用できないねぇ(もし被害程度が日本の方が酷いとしても、輸入状況は変わらないという意見もある)。まあ、ワクチン開発国が優先だというのは仕方ないにしても、3つ目が大事である。ある程度ワクチンが入ってきた時に、どういう「順番」で接種をするかが問題なのだ。まず医療従事者に打ち、次に高齢者と基礎疾患のある人に打つというのだが、ここで早くも問題点が出てきた。医療従事者が予定より「100万人も多い」というのだ。これは日本人の、実体把握に関して「数字を軽視する」という杜撰な体質が、モロに出た悪例である。まあ、事実がそうなら今更どうこう言ってもしょうがない。だが看過できないのはワクチン接種をする自治体が 「基礎疾患のある人を選別出来ない」ということだ(おおっ!)。これは以前、辛坊治郎のラジオ番組で言っていたのを紹介したので知っている人も多いとは思うが、私に言わせれば「そんな事は、去年の夏頃には分かっていた筈」ではないか!。我々は接種券を貰う方だから気にもとめていなかったが、配る自治体の担当者は「選別出来ない事」に気が付いて当然である。去年の夏に問題点が分かっていれば、それをクリアする方法はなんとでもなった筈だ(その時点で、あらかじめ基礎疾患のあるなしを申告させておいてもいい。そうなら8ヶ月もあれば、選別情報は出来上がっているだろう)。それがワクチンが届いて「さあ打つぞ」という段階になって、初めて気が付いたような言い方をして誤魔化そうというのは「官僚のやりそうな事」だが、これはもう「犯罪レベル」の意図的怠慢じゃないかと私は感じた。もし本当に気が付かなかったのなら、そんな担当者は「能力不足で降格」であろう。民間では許されても、役所で間違いでしたは許されない(担当者だけの責任ではない)。仕事というのは、汗水たらして頑張れば偉いという種類の業務だけではない。問題点を先読みして、予め対策を立てることでスムーズに作業が出来るようにすることも、大事な仕事の一つである(当たり前だがそれが出来ないのが日本人だ)。どうも日本の政府には、そういう「能吏」がいない気がする。やっぱ発想というかアイディアというか、そういう「出来る人が叩かれる構造」が足を引っ張っているんだろうね。年功序列なんかよりそういうことの方が余程大事なんだが、どうもお役所仕事というのは「生ぬるい!」。そう言えばデジタル化推進という話、どこまで進んでいるのか心配だ・・・。
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