さざなみ日記

日々思うこと、懐かしいことなど、つらつらと…

ジュニア版「人間の記録」の執筆、その後

2022-07-06 01:12:32 | 本・マンガ
4月だったかな、昔20代のころ編集した自伝のシリーズを、こども向けに書き直したいというおはなしを書きましたが…
だいたい今、6人くらいは、書きおえたかな。本当のことをいうと、以前も試みたことがあって、少し書きためたものが、あったのです。
ひとりで一巻分になるくらいのものを、目指してみましたが、私の筆の力では、とてもそこまで書けませんでしたね。資料も、「人間の記録シリーズ」だけでしたので。本業の物書きさんは、膨大な資料をあつめますものね。
なので、単なる趣味の領域です。もともとお金になるとか、思ってないですし。でも、来年、久しぶりにもと勤めていた会社の友だちに会う予定なので、ちょっとその話を話してもいいかな、とは思ってます。

当時、もちろん読んだ本ばかりですが、なにせ半年で20巻という強行な刊行スケジュールでしたので、猛スピードで目を通していったので、細かいところは、覚えておらず、(しかも20年以上も前のことですし)、今回ゆっくり丁寧に読んで、あらためて、「へえー」と思う部分がいっぱいありました。自分で出した本なのに。。

その中で、今日ひとりご紹介したいのは、「三浦環」というオペラ歌手のことです。

三浦環は、日本のオペラ歌手の草分け的存在で、特に海外では、プッチーニの歌劇「お蝶夫人」をたくさん公演して、大成功をおさめた人物です。
で、そのことは、もちろん覚えていましたが、今回大変興味深かったエピソードは、音楽家としての仕事と、家庭との両立で、大変悩んだという部分です。
はじめの旦那さんと結婚しても、音楽活動をしていた環ですが、旦那さんが仙台に赴任することになり、ついていくか、大変悩みます。そして、ひとりの男の人を幸せにするより、音楽家として歌って、社会を幸せにすることこそが、自分のつとめだという結論に達し、2人は、お互いを嫌いになったわけではないのに、離婚を選びます。
しかし、その後、環は再婚するのですが、あたらしい相手のひとは、「芸術家は社会の花なのだから、妻だからといって、家庭にとじこめるのは、芸術に対する冒涜だ」という考えの持ち主で、この人の理解があって、環は、世界にはばたくのです。なんとも、現代的なテーマだな、と思いました。この話がでて、ドイツに渡ったのが、だいたい大正初期のことです。(環の生没年は、1884~1946)

こども向けの伝記は、戦国武将とか、限られた人物が多く、ちょっと昔の日本人がどんなことをして、なにを考えていたかなんて、意外と知られていないのですよね。でも、そういう人物の生き方の葛藤を知ると、すごいヒントになります。
当時の社長の受け売りで、はじめたシリーズですが、やっているうちに夢中になりました。

ご興味のある方は、まだ売っていると思うので、読んでみてください。

日本図書センター
「人間の記録」シリーズ
(200巻まででていると思います。私が関わったのは、最初の100巻)