アルビン・トフラー研究会(勉強会)  

アルビン・トフラー、ハイジ夫妻の
著作物を勉強、講義、討議する会です。

カレン・トフラーについて

2011年05月29日 22時21分22秒 | 富の未来(上)
カレン・トフラーに関わる点は、著書の前文ならびに謝辞等に記載されている
内容から理解できます。

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1991,10「パワーシフト」
文頭  カレンへ 二人から愛をこめて
677ページ 謝辞
『娘のカレンには、どんな言葉で気持を表したらいいか分からない。原稿
整理の最後の数週間は、特に重圧の下で頑張ってくれた。重要な幾つか
の章での間違いの有無、最新データとの照合、文献や注釈の整理、それ
から索引の検証と続いた。本書の場合、これは機械的作業では叶わなか
った。なぜなら『未来の衝撃』、『第三の波』、その他の我々の仕事を含め、
索引については概念の整合性が必要とされるからである。』


1992,11「戦争と平和」21世紀、日本への警鐘
文頭  カレンへ 二人から愛をこめて 
408ページ 謝辞
『しかし、なんと言っても、この変化の加速化する世界をにらんで、各ペ
ージの資料をいつも最新のものに整えてくれた娘のカレン・トフラーに
は、いちばん感謝しなければなるまい。彼女の部屋はいつも夜遅くまで
明かりがついており、どんなに忙しい時も知的なユーモアを持ち続けて
いた彼女には頭がさがる。もちろんカレンといっしょに、事実の正確さ
に気をくばってくれ、専門的な知識でよく私たちを助けてくれたデェボ
ラ・E・ブラウンさんにもあわせてお礼を述べておきたい。』

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しかし、2000年代に入り、トフラー夫妻の著書がなかなか翻訳・出版されていない
状況が続きました。それは、娘の死だった訳です。

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2006,6「富の未来 上・下」
25ページ はじめに
『最後に、筆者夫婦のひとりっ子、カレンの病気が長引き、ついに死亡し
たために本書に集中できなくなり、執筆が長引くことになった。妻のハ
イジは何年にもわたって昼夜を問わずカレンの病床に付き添い、病気と
闘い、病院の官僚制度と闘い、医療の無知と戦ってきた。』


2007,7「生産消費者の世界」
91ページ 「人間」を再定義する
『宗教上の理由でES細胞の研究を支持してはならないと言うことは容易で
す。しかし、ES細胞の研究は病気で苦しんでいる人びとのすばらしい治
療法につながります。倫理的問題の解決が必要になりますが、技術の導
入や医学の進歩は重い病気に苦しむ患者、子どもを救うのです。道理に
かなっていませんか。推進すべきではありませんか。現在、子どもたち
の命を奪う多くの病気の治療を可能にするような技術の変容が見られま
す。難病で一人娘を失った親としては、わたしは新しい医療技術を支持
します。もっと早く開発されていたら娘も救われたかもしれません。』


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第三の波が、著者の論理の中心のように思われがちですが、暦年別に読み込むと
トフラーの「未来学」は常に様々な社会事象を取り入れて進化していることが、
わかります。特に富の未来に至った段階で、パワーシフトで取り上げた「暴力・金力・
知力(知識)」の三要素が、富を構成しており、無限の知識にも「死知識」が存在し、
時間と空間の同時化と非同時化にあって富が変化することを主張しています。
経済学における基礎的要因の深部という、斬新な指摘をすることになりました。
(次回へ続く)