ウィークエンド・カフェ・デ・サイエンス (WEcafe)

国立科学博物館認定サイエンスコミュニケータによるサイエンスカフェWEcafe公式ブログ

国立科学博物館企画展「江戸人展」をレポート!

2013年06月05日 | 展示レポート

こんにちは!WEcafeの村田です

今回はWEcafeお勧めの博物館展示をレポートいたします!

 

第一弾は、国立科学博物館企画展「江戸人展」!

東京藝術大学在学中に「江戸人展」の展示作成に携わった、戸坂明日香さんに案内して頂きました。

 

江戸人展では、大江戸エリアから出土した江戸の人々の「骨」の標本を中心に、幅広く江戸中期以降の文化が紹介されています。

大江戸とは、現在の山手線内に隅田川東岸を合わせた地域を指しています。

 

展示室入口は武家屋敷風の門構え、足元には当時の大江戸の拡大地図が。

あ、気になる地名発見!いつもサイエンスカフェをしている千駄木はこの辺?などなど…

 

さぁいよいよ中へ!

 

まずは入口にある案内図をご覧ください。

ほっこりする手描きイラストが描かれた案内図、これ、実は戸坂さんのデザイン!

 

戸坂さんは、頭骨(とうこつ)から生前の顔を再現する“復顔”を担当していました。

こちらが復元された江戸人のお顔です!!

江戸時代後期にもなると、武家と町人とでは顔つきが異なっており、その違いが対比しやすいように展示されています。

武家は面長、町人は四角顔です。

 

戸坂さん(写真中央)によると、食生活や、日常の歯の食いしばる頻度・強度の違いによって顎(あご)の形が変わっていったそう。

 

左側が武家女性、右側が町人女性です。違いがわかりますか?

中には武家のような頭骨を持つ町人もいたので、はっきりと二分される訳ではないですが、大まかな違いはよくわかります。

当時の時代背景を考えると、骨を前にして想像が膨らみます。

 

最後に戸坂さんに、「復顔」の難しさを伺いました。

 

「復顔では、骨の形から科学的に顔を再現していきます。

ただ、耳の形、唇の厚さ、まぶたなど、骨からは推定しにくい部分は、

骨の形からインスピレーションを膨らませてつくるんです。

特に、眼球の位置(=目の出っ張り具合)を決めるのが大変でした」

 

なるほど、科学者と芸術家が細部にまでこだわってはじめて、江戸人の顔が蘇ってくるんですね。

骨だけで、こんなに色々なことが分かってしまうとは驚きでした!

 

骨以外にも、江戸の人々の服装、髪型、化粧といった文化も紹介されています。お歯黒のにおいを嗅ぐことのできる体験コーナーも!

どれも、江戸特有の文化がリアルに感じられるものばかりです。

 

「江戸人展」は6月16日まで。

この機会に、江戸人たちの雰囲気を感じてみてはいかがですか?

 

<今回ご紹介した博物館>

国立科学博物館 (http://www.kahaku.go.jp/)

企画展「江戸人展」 (http://www.kahaku.go.jp/event/2013/04edo/event.html)

【アクセス】

東京都台東区上野公園 7-20

JR「上野」駅公園口から徒歩5分

【入館料】

一般・大学生:600円

高校生以下:無料

【開館時間】

9:00 ~17:00 (入館は16:30 まで)

※金曜日のみ9:00 ~20:00

【休館日】

毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)

 

※企画展「江戸人展」は入館料のみで見学可能


コメントを投稿