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【書評】『図解 生き物が見ている世界』

2015年08月19日 | 書評

「イヌの目は、色が見えない」

「ヘビは、赤外線が見える」

などの、生物トリビアをどこかで聞いたことありませんか??

 

実際、イヌが見ている世界とは、どんな世界なのでしょうか

そんな、ふとした疑問をビジュアル化した本が発売されたので、ご紹介いたします

 

 『図解 生き物が見ている世界』

ゾウやライオンなどの野生動物、犬猫などのペット、鳥、昆虫、は虫類と全34種の生き物が「見ている世界」をビジュアル化して紹介されています。

 

この本の1番のポイントは、著者です。

普通、科学の本というと専門家が一般の人にも分かりやすく、科学現象について説明しているものですが、この本は違います。

 

著者は、なんとお笑い芸人の田中直樹さん(ココリコ

 

本の冒頭では、動物好きの田中さんが、愛犬の見ている世界を知りたくて、調べ始めたことがこの本の出版へつながったことが紹介されています

田中さんは、科学を題材にした番組に出演されていて、仕事で出会う研究者の方々と直接話をするうちに、どんどん科学の世界へ惹かれていったそうです。

 

そんな田中さんの目線で作られた本なので、

まるでサイエンスカフェ(※)に参加した直後の友人の楽しい感想を聞くような感じで読むことができます

(※WEcafeで開催している研究者とお話できるトークイベント)

 

科学の面白さに触れたあと、さらに自分で色々な考えを巡らせて、科学の世界へ一歩踏み込んだ形が、この本なのではないでしょうか

 

巻末では、著者の田中さんと共著・監修の長沼博士(広島大学准教授)の対談が掲載されています。

その中でも、田中さんは、動物たちの見ている世界について、面白い想像をされています

(パンダの視力で人間社会を生きていけるだろうか?…など)

 

また、この本は、科学的事実に忠実に書かれていますが、将来、研究が進むとこの事実がひっくり返っているかもしれないそうです。

そんな科学のあやふやな部分にも率直に触れたコメントが面白かったです。

 

専門家でなくても科学の世界を楽しめる、そんなことを教えてくれる1冊をご紹介しました

私たちも科学的なものの見方や考え方を楽しく発展させていけたら良いですね

 

 

絵が多い本なので、小さな子どもでも楽しめる仕様になっていると思います。

夏休みの間に読んでみてはいかがでしょうか?

 

記事執筆 : 古垣内 彩(ふるがいち あや)

 

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今回ご紹介した本は・・・

ココリコ田中×長沼毅presents 図解 生き物が見ている世界

著者:ココリコ 田中直樹

共著・監修:長沼毅

出版社:学研

発行:2015年8月

https://shop.gakken.co.jp/shop/order/k_ok/bookdisp.asp?code=1340631100

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