おさないころの 思い出は
何かで 削り落とすように
少しずつ うすれていき
そのあとを 埋めるように
あたらしい出来事が のっかって
思い出となってわたしをつくる
わたしの知っている 私は
今の私ではなかった
私の中に おおきな陰を残した思い出は
あなたにまつわる
手の指の数では足りない出来事たち
あのときから 私は
違う私になっていったようだ
いまのわたしと どれくらい付き合えば
また違うわたしに 巡り合えるのだろう
ときどき 顔を出す
過去の日のわたしに
ハグしたいときさえあるけれど
それは 通り雨のように
素っ気なく 過ぎていくだけのこと
完成したジグゾウパズル