ゆったりと、流れのままに、拾いもしない、捨てもしない・・・。 おもむくままに・・・そして私がいる。
口から 毒気が 出ています
頭から 沸々と
湯気が たっています
何かを 力説したいのでしょう
誰かを 説き伏せるつもりでしょう
相手も 負けては いません
それ以上の 勢いで
追い討ちを かけています
互いに 言い負かせる
つもりでしょう
滑稽です
本当のところ
切なくなるほど 馬鹿馬鹿しいです
黙々と
わたしの 信じる道を
選びます。
馬鹿馬鹿しい 流れに
巻き込まれては
悲しくて 生きてはいけません
正攻法で 話し合えませんか
悲しくなる人が
増えるだけです
いつもの 人が
しばらく見えないと
その人のことが
頭から はなれない。
風邪でも・・・
怪我でも・・・
堂々巡りで 思ってしまう
その節は・・・ なんて
軽い調子で
その角を曲がった あたりから
顔を のぞかせて
白い歯をみせて
目は 思いっきり
微笑んで
そんな ことの繰り返しが
自然と
心の底のほうに
折り重なって
ひとつの イメージを
創りあげる
あなたとは
そんな
間柄でしたね。
明日の朝は
早く出かけるから
夢の中に 出てこないで
今夜だけは
私の眠りの
邪魔をしないで
私の夢を 乗っ取らないで
始発の電車に乗って
あなたのすむ街へ・・・
だから・・・
今夜は ゆっくり
休ませて
あなたの通る 街角で
あなたを 待つつもり
あなたを きっと
見つけて見せる
夢の中で 巡りあった
あなたを
きっかけは 解らない
とにかく
いやな気分だけが
胸の奥に たまっている
読みかけの本を 開いても
邪魔をする
散歩に出かけても
知り合いと 言葉を交わす
数秒だけ
その思いから はなれる
サイフォンから
たつ 珈琲の香りで
いつもなら 癒される
記憶をたどっても
原因になりそうなことは
思い出さない。
パソコンを 立ち上げて
受信メールを チェック
見つけた。
あなたからの メールが
絶えて こない
こないメールを
ずっと まっていた
わたし
あの日
大切な人に 出会ったのに
認めようとはしなかった。
胸に手を 置いて
あなたが 探していた人だと
告げることが できなかった。
私の暮らしは 後悔の連なり
背を向けて 去っていく姿を
追いかけなかった。
私の 人生も
やり直し がない。
あなたとの 急接近を
ただ 恐れと受け止めたのが
間違いの 交点 だった。
あなたは 一度も振り返らずに
町の雑踏に 飲み込まれた。
あれから 幾度も
あの 街角で
あなたを 探す 私を
わたしは
幾度も 突き放した。
あなたを 求める 私を
切り捨てて
過去の 住人にかえた。
いまも、
私を 許すことができない
わたしが いる。
休日は 映画と
ランチ の セット
それにしても
大人な あなたは つまらない。
あなたは すぐに
冷めた 解説者に 変身する。
ドラマの中に
しばらくは 身を預けて
食事も 上の空で・・・
数分間は
現実から
抜け出したいよ。
・・・せめて
靴の紐が ゆるんだら
立ち止まって
結びなおす
そのまま 進んだら
ゆるんだ紐は 解けて
また
そのまま 進んだら
紐を 踏んづけて
ころぶ こともある
紐が緩んだ 靴は
脱げて
置き去りにしてしまう
転びそうになったとき
となりに
支えてくれる人が いれば・・・
紐を 結びなおしたほうが
よいと
声かけてくれる人が いれば・・・
私は
転ばぬように
靴の紐を 見ながら
歩いて いる。
海を 渡った
My best friend よ
少女のころ
二人で語った 夢物語を
いまも
追いかけて いますか。
一つ一つ 確かめながら
あの時 一緒に
時代に 決別して
未来への 扉を
ノックしなかった
臆病な 私を
許していますか。
海の向こうの
得体の知れない 希望を
受け容れられなかった
わたしを
笑って いますか。
勇気ある あなたの
高らかな 凱旋を
待ちながら・・・
二人の故郷にも
得体の知れない 怪物が
潜んでいて
少女の 夢を 食べつくす
ということを
数年かけて 知りました。
二人で語った 夢を
捨てられず
相変わらず もがきながら
生きています。
そして 徒然に
問いかけています。
永遠に Best friend の あなたに
雲の切れ間から
陽射しが こぼれ
周りの 草木が
よろこびを 謳う
その中で
小鳥たちは
愛を さそっている。
心地よい さえずりに
引き寄せられ
雑木の 小径に
わけいる
足元に散らばる
痛々しい ヤブツバキ
愛の残骸
そして・・・突然
あなたの 別れの
一言が 幻聴となって
ながれてくる。
こんな風に
つらいときは
顔をあげて 歩けない。
顔を合わせたくないから
下を向いて
ただ、ひたすら 下を向いて歩く。
できれば 外出はしたくない。
小さなことが
必要以上に 気になって
全てが 自分に向けての
警告のように
心の底に 響き渡る
全てを 恨めしく思う。
優しい人も 寄せ付けない。
温もりがほしいのに
心を 凍らせて
壁を たてて 拒絶する。
部屋にこもると
涙の 浪が 押し寄せて
窒息しそうになる。
そんな日には
下手な 芝居を見た後のような
むなしさに 息苦しくなる。
それに触れるのも 忌まわしい。
分厚い コートの衿を立てて
やり過ごした後
私は 数十年を
一度に年老いた 気持ちになって
また
立ち上がって 歩み始める。
春冷えの日 の
野の花のように
忘れ物を している
気持ちに なることがある。
わたしの 人生の 忘れ物は
何 なのだろう。
あの時
あの一言を いえなかったこと。
あの時
涙を 流さなかったこと。
それほど 重大なことでは
なさそうだけど・・・
あのとき 忘れた 一つのことが
人生の方向を 変えてしまった
かもしれない。
後悔と 反省と
修復と 決断と
いのちを 紡ぐ 一つひとつに
確かな 手ごたえを
感じることが できただろうか
明日 出会うかもしれない人に
素のままの姿で
恥ずかしくは ないか・・・
過去を ひろって
手にかざして 見せても
笑顔を くずさず
向き合えるか
こたえを さがす旅は
まだ つづく。
あなたは ゆったりと
恋歌を 口ずさむ
わたしは ひそかに
哀歌を 繰り返す
心の中の リズムは
不思議と 調和している
春の日の 陽気に誘われ
小川の 土手を
若草を 踏みわけて・・・
行く先は 決めていない
あなたは バラードを
わたしは エレジーを
行く先のない 二人
行く先を決めない 二人
足の下の 若草の
蒸れた匂いは
まだ まだ 続く
休日のある日
闇の中で見つけた 光明のように
ひとつの 声が 届いた。
不思議に
素直に 耳を傾けることが出来る
わたしの向かうべきところを
指して こちらだと 言う。
わたしの 心の傷を
解っている 様子だ。
冬の川辺に 降り立った
白鷺のように
目を奪う いさぎよさで
心の中に 入ってくる。
その声に わたしは 無言で
あゆみを止めることなく
生きていくことを 誓った。
心の中の
自問自答のくらしに
慣れてしまうと
白鷺の 到来は
新鮮 そのものだ。
その瞬間から
いつか又
その姿に 出会えることが
わたしの 希望となった。
その人は 丸い背中を見せて
年月を 語る背中は
妙に 物悲しい
ワタシデス
アナタノ ムスメデス
他人のような顔をして
他人のする挨拶をして
駄目でしょ
そんな風に 現れては
そんな姿を 見せては
幼い子供を捨てた 若さは
どこへ 置いてきたの
他人のような顔をして
他人のする挨拶をして
それ以外は なにも
どんな言葉も
話さない
話せない
長い年月は取り戻せない
取り戻す気もない
他人のような顔をして
他人のする挨拶をして
その背中は 泣いているようだ
丸い背中は なにも言えない
その背中から 逃げるように
離れた 私は
涙の湖を 泳ぎ
涙の岸に 泳ぎつき
数年を 涙の岸辺で 過ごした。
その人が 逝ったことを 知った日
その人を やっと 捨てることが
できると 思った。
やさしい 陽ざしの中で
やさしい 気持ちになり
道ばたの 土筆や
タンポポに 癒され
こころの底の 哀しみや
寂しさを わすれて
ぼんやりと
時間の流れに まかせて 遊歩。
リードを 長くして
わたしの 相棒たちは
どこへ 急ぐのか 駆け足で
時々 止まっては 振り返り
はやく、はやく、と促す。
彼らにすれば
まえへ すすむ 気持ちだけのようだ。
そろそろ 帰ろうか・・などとは
けっして 言わない。
陽ざしが 心地よいから
彼らの 望むように
先へ 歩み続ける。
戻る時間など 気にかけない
こんな 休日が もっと
あってもよいのに・・・