しずかに 寄り添って
空気みたいに
存在感のない 人
語りかければ 目線で
返事をして
かすかな 微笑を
応諾の 合図とする 人
人ごみの中には 入りたがらず
数歩あとを 遅れることなく
ついてあるく
別れる時は
少し 小首を傾けて
軽いお辞儀を する
大きな声では 笑わず
大きな声で 呼ぶことも無く
手を 小さく 振って
しずかに 去っていく
まるで 皇族の人の
所作 を まねているような
おとなしい人
なにを 考えているのか
わからないけれど
敵では 無いのだと
体全体で 表現している
そんな 人に なりたいと
思った 五月の午後。
完成したジグゾウパズル