ふくろうに魅せられて
数十年が 経過
あちこちから
わたしのリビングにやってきた子達は
毎日 わたしに 語りかける
九谷焼 五三郎窯で生まれたこの一対
であった瞬間
心臓の音が一瞬とまって
また 静かに動き始めるのを
聴いた気がした
そのあとすぐに
わたしはこの子達を胸に抱いた
毎日 声にならない声で
話しかけ 話しかけられ
わたしの日常に 艶やかな
彩りを添えてくれる
フクロウ(不苦労)
わたしの しあわせは
さりげない多くのものたちから
譲りうけた
途方も無い 大きな包容の中に
ひっそりと 存在する