無錫図書館4Fの友好図書について、今まで2006/1/9の記事や2/27,5/10,11/1,2007/4/10などで書いてきた。
相模原市からの寄贈図書事業はすでに終了しているらしいが、明石市からの寄贈図書事業は継続中らしく、今年贈られてきた図書の中で、すでに友好図書にある絵本などが新書で贈られてきた、というような事があり、差し出がましい事かと思いながらも、先日明石市宛てに、無錫市との寄贈図書事業について、E-Mailで投稿した。
明石市の担当の方から、このやり取りのブログ掲載の許可を頂いたので、原文のまま掲載。
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(5月末 明石市HP公聴制度e-市民提案箱へ投稿)
はじめまして。
私は明石市と姉妹都市締結されている中国・無錫市に現在主人の仕事の関係で家族で住んでおります者です。
明石市と無錫市の交流事業として、現在も日本語の図書を無錫市に寄贈する、という事業が継続されていらっしゃると思いますが、その件に関しての現状の報告と提案を、明石市民ではありませんが、市民の皆さんの貴重な税金を使った事業のより有効な活用を願って、無錫からメールを送らせて頂きます。
私は現在、無錫市図書館のスペースの一画を借り、「無錫さくらんぼ文庫」という、日本人の子ども達の為の日本語の児童書の子ども文庫を開設しています。
その文庫は、明石市から贈られた日本語の本が設置されている部屋の一画に設置されています。
その部屋には、明石市からの本と、同じく無錫市の姉妹都市である神奈川県相模原市からも寄贈された日本語の本とが『友好文庫』としてズラッと設置されています。
その蔵書は合わせて約2万冊と言われていて、その中には絵本や児童書がたくさん含まれております。
しかし、その『友好文庫』の現状は、館外持ち出し不可、そしてその場所に日本語の本があるという事実を知っている無錫市民も少なく、日本語の書籍を読み解く高レベルの日本語能力を擁する中国人がたまに館内で閲覧している場合がある(のかもしれませんが、いまだ見たことがない)程度。
折角の本は、すっかりほこりを被った状態です。
「無錫さくらんぼ文庫」を開設するにあたって、これらの『友好文庫』内のたくさんの絵本を、私達日本人にどうか館外持出させてくれないか、と図書館側にお願いしましたが、図書館側は、これらの本は、無錫市と日本の姉妹都市との貴重な友好の証であり、紛失などあっては困るので、館内閲覧ならば可能だけれど、持出は不可、との回答でした。
それで現在は仕方ないので、自分達の資金で購入した本は自分達で管理・貸出、『友好文庫』の絵本は自宅に持って帰れないので、図書館に来てくれた子ども達にその場で読み聞かせするのに使っています。
しかし、折角の日本の本は、日本側の意図としては、[無錫の、日本語を勉強している人たちに利用してもらおう]というような事でこの事業がスタートしたのだろうと思いますが、はっきりいって「ただの友好の証としての飾りもの」となっているように、私には感じます。
今年も明石市から新書が届いたようですが、最近図書館の本棚に並んだこれらの本、「ぐりとぐら」や「だるまちゃんとかみなりちゃん」などの絵本だったと思いますが、今年届いた本は実はすでに相模原市から過去に寄贈されていて、すでに「友好文庫」の本棚に何冊かあります。
明石市から毎年新書が100冊程度贈られていらっしゃるのでしょうか?
しかし、無錫側の現状を考えると、日本語の新書を贈る、という友好事業は、あまり実がないように思います。
私は、日本語の本を贈るよりも、日本人の作者の作品(村上春樹や「ぐりとぐら」などの絵本)の中国語翻訳本を寄贈した方が、より多くの中国人の方に喜ばれるだろうし、日本文化の理解に役立つのではないかと思います。
数年前に比べて、日本人作者の中国語版は格段に増えていますし。購入経路も比較的簡単になっています。
そして本自体の値段も格安です。
無錫で、日本語の児童書の購入費用と入手経路にいつも頭を悩ませている一人の母親からみて、明石市から無錫に贈られてくる本があまりにももったいなく、活用されないのが可哀想に思えます。
どうか御検討ください。
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この投稿に対して下記回答があった。
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(6/12 明石市教育委員会事務局社会教育室社会教育推進課様よりの回答)
このたびは、貴重なご意見をいただきましてありがとうございました。
また、無錫市で、日本の子どもたちのための文庫活動を行っておられるとのこと、その活動が、日本を離れているより多くの子ども達の楽しみになるとともに、子ども達の成長に役立っていくことを期待せずにはおれません。
さて、ご意見をいただいた、図書交流事業のことですが、1981年8月29日の無錫市と明石市との友好都市締結調印の翌年から、両市の文化交流を発展させ一層の友好の輪が拡大されることを願い実施されているもので、本年まで無錫市から1357冊の図書が受贈され、また、明石市からは、1398冊の図書を寄贈いたしております。
相互理解のための図書交流ですので、無錫市に寄贈いたしました図書の取り扱いについては、ご提案の内容も含め、今後、両市の関係機関の間で検討いたしますので、ご理解いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。
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無錫市からも明石市へ図書の寄贈が行われているのかあ・・・。
すでに25年、この事業が続いているというのは、すごいなあ、と思う。
両市の交流の歴史があって、現在があるのだろう。
いずれにしても、余計な事だったのかもしれないが、私が無錫で感じた事は伝えられたので、あとはお任せしよう。
明石市の御担当者様、有難うございました。
両市の友好事業の益々の発展をお祈りしています。