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人には外的生命のほかに内的生命がある。肉体の生命のほかに霊魂の生命がある。この世の何ものをもってしても与うることのできない生命がある。
そうして、これあるがゆえに人は尊いのである。財産を奪われ、名誉を剥がれ、よし健康を失いても、なおのこるものがある。
それが内的生命である。そうして、それを与うるものが宗教である。ゆえに宗教は、この世に在るものであって、この世の属(もの)でない。
直ちに神より人の霊魂に臨むものであって、政府も学府も、しかり、教会も寺院も、与うることのできるものではない。 (内村鑑三)
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