司法書士伊藤弥生の好好学習天天向上

日々の司法書士業務に関してあれこれ備忘録など。

ローカルルール

2024-07-10 15:13:19 | 不動産登記

相談者が遠方の不動産を所有していてその相続登記を司法書士に依頼する際に、相談者の近くの司法書士か、不動産の所在地にある司法書士に依頼した方がいいのかという相談が時々あります。相談者の都合がいい方でというのが答えですが、今はオンライン申請や郵送申請も可能なので、全国どこでも対応は可能です。なのでわざわざ不動産の所在地の司法書士に依頼しなくても、相談者の近くの司法書士に依頼した方がスムーズなのではないかと思います。ただ実家が遠方にあり、度々帰省することがあるようでしたら、不動産のある遠方の司法書士に依頼することもあるかと思いますので、本当にケースバイケースで相談者の都合がいい方でということになります。

先日、実家(遠方)の20年近く前に死亡した父親名義の相続登記の依頼がありました。母親をこちらに呼び寄せてしまったので、ずっと空家状態のようです。

評価証明書を取り寄せようと思い、そこの役場のHPを見たところ、司法書士が請求する際には、そこの県司法書士会指定の様式の書式を使用すれば無料で取得できるとのことでした。私はそこの県所属の司法書士ではないためその様式を入手できませんので、他県の司法書士が無料で取得する方法はないのか役場へ電話で確認したところ、やはり県司法書士会指定の様式でないと無料にはできないとの回答だったので、有料の評価証明書を入手するしかありませんでした。

評価証明書やその他市町村が発行する書類の中には、全国一律ではなくローカルルールがあるものがいくつかあるので、地元以外の書類を取り寄せる場合には、事前にしっかり確認する必要があります。


根抵当権の追加設定登記をしようとしたところ、、、

2024-07-04 14:05:09 | 不動産登記

根抵当権の追加設定をしようとしたところ、よくよく登記簿を見ると当該根抵当権は20数年前に既に元本確定の登記が入っていました。その後保証協会に一部代位弁済がされ、さらに数年後保証協会に代位弁済された部分は解除されていました。当該物件には担保が多数設定されており、追加設定するのに元本確定はないだろうという先入観もあったりで、うっかり見落とすところでした。

元本が確定している以上追加設定は出来ませんので、追加設定しようとした物件には新規で根抵当権を設定することになりました。

いつもの当たり前や先入観が時として違うこともあり得るので、常に慎重であるよう戒めとして記載しておきます。


根抵当権の債務者が数回にわたり本店商号変更している場合

2024-03-19 11:26:04 | 不動産登記

根抵当権の法人である債務者の本店が、A(登記簿上の表示)→B→C→D(現在の法人登記の表示)と数回にわたり移転、商号がA(登記簿上の表示)→B→C(現在の法人登記の表示)と数回にわたり変更されている場合、所有権の名変のように、変更の履歴がわかるものを添付すれば本店を直接A→D、商号をA→Cと変更できるのか。

最初、何の迷いもなく出来ると思っていたのですが、どこかの法務局では根抵当権の場合は出来ないというネット上の記事を拝見してしまったため、心配になり管轄法務局へ相談表を提出したら、私が考えていたとおり直接変更できるとの回答をいただき、それで登記は無事完了しました。ちなみに本店と商号の変更も一括申請可能です。

ネット上の記事も参考になるものが多いですが、やはり最後は自分で確認しないとですね。


本人確認情報の登記識別情報(登記済証)を失くしてしまい提供できない場合

2024-03-15 10:16:31 | 不動産登記

登記義務者の登記識別情報(登記済証)が提供できない場合には、司法書士が義務者について本人確認情報を作成することがあります。

今回は識別情報と登記済証を提供するケースだったのですが、どちらも探したけど失くしてしまったというので、「登記識別情報を提供できない理由 紛失」と記載して提出したところ、法務局から補正の連絡を受けました。

これは「登記識別情報通知を提供できない理由 失念、登記済証を提供できない理由 紛失」とそれぞれ記載しなけれなならなかったのです。昔の登記済証を失くしたケースは時々あるのですが、識別情報通知を失くしたケースは今までなかったので、うっかりその感覚で「紛失」とばかり勘違いしておりました。

色々勉強不足でした。。


法人が登記申請人になる場合の注意点

2024-01-17 11:04:28 | 不動産登記

法人が不動産登記の申請人(権利者、義務者)になる場合、会社法人等番号を提供すれば当該法人の登記事項証明書は添付しなくてもよいという取扱は、数年前から運用されているところです(印鑑証明書も同様)。

ところが不動産登記を申請中に、当該法人が法人の登記記録について何か登記申請をしている場合には、法務局側で法人の登記内容を確認出来なくなるので、法人登記が完了するまで、不動産登記手続きが進まない事態が発生するわけです。そのような場合には、会社法人等番号を提供せず、3カ月以内の当該法人の登記事項証明書を添付すれば、法人登記完了を待たずスムースに手続きが進みます。

事前に知らせてくれればいいのですが、そうでない場合の方が多いでしょう。決済が絡まないケースはまだいいですが、絡むケースではその辺りもこちらからしっかり確認する必要があります。特に代表者の変更となれば、取下げの対象になってしまいまので、注意が必要です。その場合には、新代表者の名前で登記の委任状を貰うべきでしょう。