平成27年5月1日より、「監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定め」がある株式会社は、その旨の登記をしなければならないことになりました。
当初は意識していたのですが、監査役の任期を4年以上にしている会社もありますので、最近はうっかりしそうになることがあり注意が必要だと思いました。
今一度、知識を整理してみようと思います。
登記が必要か否かは平成18年4月30日以前に設立された株式会社かそれ以降かで条件が異なります。
♪1 平成18年4月30日以前に設立された株式会社の場合
① 資本金は1億円以下(平成18年5月1日当時、資本金が1億円以下であり、かつ、最終の貸借対照表の負債の部に計上した金額の合計が200億円未満)
② 株式の全部に譲渡制限の規定がある(平成18年4月30日から現在まで)
③ 監査役の監査の範囲について、定款を変更していない(平成18年5月1日から現在まで)
④ 監査役会及び会計監査人を設置していない
♪2 平成18年5月1日(会社法施行日)以降に設立された株式会社または平成18年5月1日以降に株式譲渡制限の規定を設定した株式会社の場合
① 株式の全部に譲渡制限の規定がある
② 監査役会及び会計監査人を設置していない
③ 会計限定監査役の定めがある
♪1の①から④、♪2の①から③の条件を全て満たしている株式会社の監査役には、会計監査権限しかないとされるので「監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある旨」を登記する必要があります。しなければ登記懈怠となり過料の対象になるので注意が必要です。
そしてその登記はいつすべきかですが、「平成27年5月1日以降、最初に監査役の就任、重任又は退任の登記を申請するとき」とされています。
ちなみに、特例有限会社の監査役については必要ありません。