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相続による免責的債務引受(その2)

2023-12-27 09:38:14 | 不動産登記

債権者と債務引受人との間の免責的債務債務引受については、以前ブログに記載したとおりです。

https://blog.goo.ne.jp/xiangxiang/e/4ebb2bf99522c32a90f766df8ed9baaf

民法改正により「債務者が免れる債務の担保として設定された担保権については、債権者があらかじめ又は同時に引受人に対する意思表示をすることによって、引受人が負担する債務に移すことができる(民法第472条の4第1項、第2項)」とされました。

新民法の免責的債務引受は、債権者が免責的債務引受による担保移転の意思表示を引受人に対してしなければならないという要件が加わったのです。そのため登記原因証明情報にもその旨を記載する必要があります。改正前の雛型や金融機関による免責的債務引受契約書では、要件が満たされていないことが多いので、司法書士側で要件を満たした登記原因証明情報を作成する必要があります。

参考までに記載例(三面契約の場合、債務者Bは担保設定者)を記しておきます。

登記の原因となる事実又は法律行為

(1)令和〇年〇月〇日、債権者A、債務者B、債務者C及び債務者Dは、本件抵当権の被担保債権であるAに対する債務について、債務者Bが免責的に引き受ける旨の免責的債務引受契約(以下「本件契約」という。)を締結した。

(2)本件契約にかかる債務は、令和〇年〇月〇日債務者Eから相続した債務である。

(3)本件契約の際、債権者Aは、引受人Bに対し、本件抵当権をBが引き受けた債務に移す旨の意思表示をした。

(4)よって令和〇年〇月〇日、本件抵当権の債務者はBに変更された。



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