先日過去の書類を整理していたところ、少し変わった手続きがありましたのでこちらに書き残しておこうと思います。
5年程前のものですが、売主が準禁治産者という土地売買(居住用ではない)がありました。
平成12年4月1日から成年後見制度が施行されたことにより、施行前に「禁治産者」「準禁治産者」を受けている人は、それぞれ「成年被後見人」「被保佐人」とみなされ、施行後においても宣告を受けた旨の戸籍の記載や後見人の権限は有効なものであるため、それらの証明には戸籍謄本を使用することが可能です。戸籍謄本の記載をやめたい場合には、戸籍の記載を後見登記等ファイルに移す「移行の登記」を申請することが出来ます。ただし、心神耗弱以外を原因とする準禁治産宣告の場合には移行は出来ないのです。準禁治産者の時代には、心神耗弱の他に「浪費」が原因の場合にも認められていました。現在の成年後見制度では浪費を理由とする保佐人の申立ては認められていませんから、それに合わせたものだと思います。
結局移行の登記はせず、準禁治産宣告の記載のある戸籍謄本を使用し、保佐人の同意書(保佐人の印鑑証明書付)を添付して登記手続きをしました。被保佐人ご本人は、準禁治産宣告を受けているのが不思議なくらいしっかりしたいた記憶があります。
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