気楽に山歩き

山歩きもHPも気楽に楽しむ日々を綴ります。話題は主に山歩き関連です。

『日本人へ 国家と歴史篇』 塩野七生著(文藝春秋)

2018年01月27日 | 
著書の『ローマ人の物語』全15巻は読んだことがありませんが、日本史はおろか世界史に疎いので読んでもきっと面白くないだろうし、難しいだろうと思っています^^;
でもどんな作家だろうと気にはなっていました。

長くイタリアに住んでいたという割に日本人よりはるかに日本の世情に詳しいのではないかと驚かされました。

外国に行くと日本が見えるとか、日本の良さが分かるとか聞きますが、余程関心をもっていないと、これほど分析できないのではないかと。

勉強不足で分からないこともありましたが、無駄のない歯に衣着せぬ文章は読んでいて同感多く、痛快だったりでした。

もうすぐ(2/9~)隣国の韓国平昌(ピョンチャン)オリンピックですが、不穏な動きばかりの北朝鮮の急遽参加など、政治色ありありで、こんなことやら米トランプ大統領のことやら、いま本にするなら突っ込みどころ満載なんだろうな。いや、常にあるのかもしれませんね。

私など面倒くさいこと嫌いで、何かにつけ黙ってしまいますが、それが損だと思うことはたまにあります。もっと言いたいこと言って、やりたいことをやって気持ちよく過ごせたらいいですが、これも性格というか習慣の積み重ねなのでしょうね。でもこの本を読んでいると、言葉にしなくても共感できることはありましたし、私もそれなりに考えたり感じたりしていたことが少し整理されて良かったです。
でも、問題を起こさないよう事なかれ主義という国民性がでると世界の中ではやはり損をするようですから、日本の政治家にも向き不向きがあると思わざるをえませんね。
官僚と政治家の関係というのも思うことありますが、書くと長くなりそうですし、誤解があってもいけないので止めておきます^^; いずれにせよ、民主主義ですから政治家は国民から選ばれた人でなくてはならず(したがって選挙で流動的)、政治家は官僚なくては何もできないのですから(言い過ぎか?)。

憲法、戦争、自衛、・・・
今や避けて通れない問題ですね。自国は自国で守る、当然のこと。なりゆき気になるところです。

「読書にたすけられて」について。
本は極力買わないことにしていますから、作家さんの手助け(収入、活動費)にはならないかもしれませんが、図書館とはいえ税金は払っていますし、若い時は買っていましたから、これからは若い人にお願いしましょう^^;

留め置きたい言葉。
「遺跡とは、眺めているだけでは石塊の山にすぎない。想像力を使って頭の中で再構築しながら見てこそ、遺跡を見学する意味もあるし、見て回る愉しさもある。」


※塩野七生 1937年生まれ 

2010年発行
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