やる気をだすセリフ

落ち込んだ自分を奮い立たせる、気に入ったフレーズを集めます。
言葉には力があるからです。

老いを楽しむ

2006-11-20 10:31:26 | Weblog
NHK「クローズアップ現代」にアカデミー賞監督、クリント・イーストウッドさんが出演していました。

太平洋の激戦地、硫黄島を舞台に、日米双方の視点から兵士たちの心を見つめる2作品が注目を集めているからです。

アメリカ側から描く作品は、硫黄島に星条旗を打ち立てる有名な被写体となった若者たちが、政治家により英雄に祭り上げられ宣伝に利用されたことで傷ついていく実話に基づいている。
また日本側の作品では、軍を率いた栗林中将が家族に宛てた手紙を元に、日本人の家族愛と祖国愛を描いている。

映画監督として活躍する氏は70代になり、その年齢でなければわからないことを映画に込めているという。彼は、老いを楽しんでいるそうだ。
見習いたい点である。
氏は、戦争に英雄はどこにもいないというメッセージをこれらの作品に込めたという。

アメリカ側から描いた、現在上映中の「父親たちの星条旗」を鑑賞した。

2時間以上の映画で、6割くらい戦闘シーン、色調を抑えた映像で、人間が死傷するシーンがほとんど、内臓が露出しているようなシーンもある。
日本人は姿をみせず、防空壕から弾が飛んでくる。
見えない脅威。

少し陰鬱な気持ちになった。
しかし、それだけ、戦争は悲惨なんだと訴えていると思う。
奇麗事ではないんだと。

本国と戦地を行き来したり、二重写しになる映像は、硬くなった頭には重荷だった。
銃弾の音がいつのまにか祝賀の花火の音になったり、ストロベリースープで血を連想させたり。ちょっと、技巧的な展開は、気に入らなかった。

しかし、テーマには賛同できた。権力者は、善意の or 悪意のマスコミを利用することもあるだろう。そして、真実を知っている当事者は、祭り上げられれば、祭り上げられるほど悩むだろう。そして、利用する価値がなくなったときには、捨てられ、何事もなかったように、忘れられるだろう。

私は、最近、マスコミに懐疑的です。
まともな感覚でニュースを吟味しているのだろうか。
ニュースを報道しているのだろうかと思う。
自殺者、いじめが連鎖的に発生しているのも、まるで、鬼の首でもとったかのように、連日、凄惨なニュースを流すマスコミにも罪がある気がする。

エンドロールの写真は、本当の写真らしい。
すると、映画のシーンは、かなり実話に忠実に作られているらしい。
コメント
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