羅保派

信頼を取り戻す

219. 鳥取見聞録 鳥取市国安 鳥取の「有隣荘」

2017年08月03日 | Weblog
倉敷市には大原家別邸「有隣荘」があり、普段は非公開だが、イベント時には見学ができる。

鳥取市国安にも「有隣荘」なる旧家がある。豪商の別邸を改造した料亭である。元々は大正時代からの大庄屋の邸宅である。最初の所有者は因幡の大庄屋「西尾家」であり、近隣には確かに「西尾」の文字の立派なお墓が多い。西尾邸は、別な場所から大正七年の大水害の際に移転し、現在の場所に移ったものである。いろいろな民家を、呼び寄せた宮大工に工事させ、五年がかりの大工事での移築で建てられたものだとのこと。西尾邸を含む国安120戸の集団移転が完了したのは、大正14年のこと。当時の首相、若槻礼次郎筆による碑が、近くの上国安公民館前に残っている。戦後は農地解体もあり、昭和36年には智頭町の山林地主米原家の所有となる。智頭宿の米原家住宅(国登録有形文化財)は石谷家住宅とともに有名である。

宅地二千坪「有隣荘」の庭園は八坂山(はっさかやま)を借景とし、京都から庭師を呼び寄せ、完成までに三年の歳月を要した見事なものである。現在も管理が行き届いている。旧屋敷から運ばれた椎の木が目をひきつける。樹齢百年をこえる椎の木をこの地に植えたものである。西尾家の盛衰を知るただ一つの生きた証人である。






























































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