山南ノート4【劇団夢桟敷】

山南ノート4冊目(2008.10.3~)
劇団夢桟敷の活動や個人のことなどのメモとして公開中。

ひきこもり

2011-09-14 15:38:06 | モノローグ【エトセトラ】
今週の月曜日から水曜日の今日まで原稿書きのために2泊3日、部屋にひきこもった。
外部からの侵入を拒否した。
演劇に関係しない人間関係の訪問を絶った。
外で食事することも酒を呑むこともしなかった。
つまり、一歩も外に出なかったのである。
一部の劇団員を除いて、完璧に他人を見ることはなかった。

こうでもしないと原稿が進まなくなる。純粋に作家生活。純文学あるいは私小説そのもののような精神生活だった。
原稿を読み返すと「井戸端会議」のような、団地の奥さま族の会話が溢れ出ているではないか。笑えると同時に違和感も覚えた。
それは削除。書き直すことに手間がかかる。夢がない。風も吹かない。

社会との関係はテレビとインターネットのみ。これには流石に集団で生きる者にとって不自由さを感じたのだった。
皮膚感覚も人間の呼吸さえも感じなくなる。・・・パーソナリティーを失うと、国家や家族、大小様々な共同体に無関心になってしまう。

ひきこもりとはこのような感覚になるのか。
不安が「私」だけのミクロ世界で増殖する。他人の悲劇が面白く見え、反動で自分を悲劇の中心に置いてみたくなる。

これまでも台本を書いたりする時は、このようなひきこもり生活を繰り返してきたのだった。
不健康な気持で落ち込んだりすると、その反動でテンションを上げる。この幅が大きい程、活字では表せない肉体が反応する。

さて、明日より劇の稽古がつづく。来週中には手作りの本も出版する。
200部作家の内向に幕を閉じよう。