GIGAスクールで使われているタブレットは、LTE(docomo回線)による通信です。LTEについて、改めて確認します。
LTEとは、3G(第3世代移動通信システム)と4G(第4世代移動通信システム)の中間に位置する無線通信規格のことで、通信システムを3Gから4Gに円滑に切り替えるため、長期間かけて3Gを進化させたものです。LTEが登場した当初は「3.9G」と呼ばれていましたが、国際電気通信連合(ITU)で「4G」と呼ぶことが正式に認められました。そのため、以前はスマホの上部に「LTE」と表示されていましたが、現在はほとんどの携帯電話会社で「4G」と表示されています。
LTEは、Long Term Evolutionの略で、携帯電話の通信規格のひとつです。3Gから4Gが主流となる時期に現れた通信規格で、3Gと比較すると数倍から10倍以上の速度で通信できます。
LTEの最大通信速度は150Mbpsといわれており、DVD1枚分のデータを4~5分でダウンロードできる速度といわれています。
▼LTEとWi-Fiの違い
・データ通信の仕方
LTEとWi-Fiが異なる点は、主にインターネットへの接続方法です。
LTEは、携帯電話会社が提供する通信サービスです。スマホやタブレットなどの端末にSIMカードを挿入して利用します。携帯電話会社の基地局から電波を送受信して通信するため、Wi-Fiルーターは必要ありません。
一方、Wi-Fiは、無線LANとも呼ばれる技術を利用した通信規格です。スマホやタブレットのほか、Wi-Fiに対応したパソコンやゲーム機なども接続できます。ただしWi-Fiを利用するためにはWi-Fiルーターの設置や設定が必要です。
・通信距離の違い
LTEは、携帯電話会社の基地局から電波を送受信するため、さまざまな場所でデータ通信が可能です。通信できる距離は基地局の出力や地形などによって異なりますが、数百mから数kmと広い範囲でデータ通信を利用できます。
一方、Wi-Fiは、Wi-Fiルーターの電波が届く範囲で通信可能です。屋内で50~100m、遮るものがない無風の屋外で500m程度の距離で通信できるといわれており、自宅のWi-Fiや観光名所のフリーWi-Fiなど、多くの場所で活用されています。
・データ通信速度の違い
データ通信速度は、LTEよりWi-Fiの方が速くなる傾向があります。Wi-Fiのデータ通信速度は接続しているインターネット回線の速度に依存しますが、理論値ではLTEよりも高速です。
現在主流のWi-Fi 6の最大通信速度は9.6Gbps、2024年にリリースされたWi-Fi 7は36Gbpsです。一方LTEは最大で100~150Mbps前後、LTE-Advancedは最大3Gbpsと、最新のWi-Fi規格と比較すると遅くなります。
・利用できる端末や利用料金の違い
LTEはモバイルデータ通信に対応した端末でのみ利用できます。Apple Watchやタブレットパソコン、モバイルWi-Fiルーター、ホームルーターなど、スマホ以外でも対応している機器は増えていますが、Wi-Fi対応機器と比較すると多いとはいえません。
また、LTEを利用するには携帯電話会社との回線契約が必要です。
一方、Wi-Fiは、パソコンやゲーム機など多彩な端末がWi-Fiに対応しているため、多くの機器で利用が可能です。Wi-Fiはインターネット回線を契約する必要がありますが、電波そのものは無料で利用できます。