代表 山ちゃんのブログ 

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四十肩・五十肩

2005-10-12 | 肩に関して
今回のコラムは四十肩・五十肩です。

四十肩と五十肩は別の障害ではなく同じもので、たまたま四十代にかかれば四十肩、五十代にかかれば五十肩であります。
正式には癒着性関節包炎、あるいは肩関節周囲炎と呼ばれています。

40、50代の人が、ある時肩に違和感を覚え、2~3ヶ月かけて徐々に肩が上がらなくなり(痙縮期約3ヶ月)、そのうちあらゆる方向への可動性制限が起きて、この状態が約半年ほど続きます(拘縮期約6ヶ月)。
無理に動かそうとすると激痛が走るので、整髪、着替え(背中のファスナーの上げ下げ)、電車のつり革につかまること、車の運転などが著しく制限され、日常生活に甚大な影響が出ます。
おもしろいことに、その後2~3ヶ月ほどかけてですが、可動性が回復し(回復期約3ヶ月)、そのうちすっかり元通りになってしまう。治療も何もしなくても。
全体で1年から1年半で治癒します。

原因は? 自然治癒する理由とともに、はっきりしたことは未だに分かっていないようです。

障害を起こす組織としては、棘上筋という筋肉が上腕骨に付く直前の、腱の部分が圧倒的に多い。
棘上筋は、肩峰、鎖骨、上腕骨頭によって圧迫され、非常に狭苦しい思いをしている。
狭苦しい思いをすると何がいけないのか?
・圧迫を受けるわけで、動作の際、あちこちに擦り付けられて切れる可能性がある。
・血の巡りが悪くなり、組織が栄養不足、酸素不足に陥りがちになる。その結果長い年月のうちに、組織が硬くなり、切れやすくなる。(老化現象)

一番考えられる説としては、年をとって肩付近の組織の柔軟性が失せ、切れたり、腫れたり、はたまた体がそこを補強しようとするせいで石灰(カルシウム)が沈着してしまうというものである。

カルシウムは骨の主成分なわけで、骨の強度というのはカルシウムあってこそなのである。だから補強の素材としてはカルシウムは効果的なのだ。が、これが裏目に出る。集まってきたカルシウムが、そこらへんの組織(骨、腱、関節包など)を癒着させてしまう。

通常、過剰なカルシウムは血液に回収され、体に吸収されるものである。40~50代になると、いわゆる代謝が衰える。代謝が衰え、新しい組織も作られなければ、古い組織も回収されなくなり(老化現象)、これが、40歳以降に生じやすい理由である。

では、どのように改善・治療するのか? 
これは基本的には「動かす」ということに尽きます。

自分でやるにはコドマン体操と呼ばれるものをお勧めします。肩を動かしたいのだが、それが痛いわけで、痛ければ自然と、肩周りの筋肉が動きに抵抗する。だから痛い肩をまたぐ筋肉には期待しないで、別の力を使って動かすのである。
コドマン体操は、アイロンなど、2~3kgの重しを使い、その慣性力(揺れ)を使う。
ブラブラと腕を揺らすのを際限もなく続けていればいいのです。どっちの方向に?四十肩・五十肩は「あらゆる」方向に運動制限が起きるのだから、動かすのも「あらゆる」方向に。

当院の施術においても、基本的には、いろんな方法で肩を、多少痛いのを我慢して、動かさせていただくというものになります。
既に述べたような障害の性質上(なってしまったら自然に治るまで待つ)、ある程度継続的に通院していただくことになってしまいます。
よく一発で五十肩を治すようなことも耳にしますが、残念ながらそれはできません。回復期に思いっきり動かすと、時に一発で治ったように見えるということはありますが、それはただでさえ剥がれかかっていた癒着を一気に剥がしたに過ぎなく、治る時期に来ていたものに駄目押しをしてやっただけです。

カイロプラクティックも理学療法の中の一つのアプローチに過ぎなく、どんな障害でもそうなのです。基本的な、地道な作業の積み重ねで撃退する以外にありません。何でも一発で治す、なんていう治療法や治療家には多くを期待しない方がよいと思います。


肩 (脱臼)

2005-09-28 | 肩に関して
今回は肩シリーズの第1弾として「脱臼」を取り上げてみます。

基本的に関節は、骨と骨の継ぎ目をゴムのような柔軟性のある関節包が覆い、潤滑油に当たる滑液で満たされてます。
更に靭帯や筋肉が関節を支え、その動きを助けています。

関節も形によっていくつか種類があり、肩は運動性の高い球関節で構成されており、上下左右と実に便利に動く関節であるのが特徴です。
しかし、動きの制約が少ない分、支える組織(靭帯、筋肉)は不安定になります。

肩の関節は関節窩というくぼみの上に、上腕骨頭がはまるような形になっている。
このくぼみは、骨頭に対して二分の一から三分の一ほどの大きさしかなく、ちょうどゴルフボールが小さなティーの上に乗っかているような格好になります。
ビックリですねー。関節がしっかり嵌まってない!!

くぼみの周囲には関節唇という軟骨の出っ張りがあり、骨頭が滑り落ちにくくすると共に、吸盤のように骨頭に引っ付いています。
勿論、その周りは筋肉や靭帯によって守られているわけですが、肩関節では肩の上や後ろの筋肉等はとても発達しておりますが、下(腋)、前は上・後ろと比較すると軟弱な構成になってるため、肩がなんらかの衝撃を受けてくぼみから落ちたり、はがれたりすると「脱臼」が起こるようになります。
だから、肩は押される事(前方から)には強いが、引っ張られる事には弱いということになりますね。なるほどー

また、大人に比べて子供の方が脱臼しやすい。関節包は年とともに硬くなり、その分、安定性は増すが、「脱臼」に関しては、子供の柔軟性が裏目にでてしまい、再発の可能性も子供のが多いようである。

中には、「脱臼」したら自力で元に戻してしまう方の話をよく耳にしますが、この行為は絶対に避けた方が良いと思われます。
素人が元に戻そうとすると、肩関節周りの周辺組織を傷つけてかえって悪化させてしまうことが多いからです。
この様な場合は、やはり専門医に診てもらう事をお勧めしますよ。

次回のコラムは、四十・五十肩についてです。

夏の肩こり

2005-08-17 | 肩に関して
今回のコラムは、夏の肩こりについてです。

夏に肩こり?と思う方もいらっしゃるかと思いますが、夏でも肩こりがひどくなる方は多いのです。

なぜかと言うと、頭痛のコラムの時にお話しした、痛みの悪循環を思い出していただければ想像がつくかと思います。
夏は暑く、汗をよくかきますが、その度に体を拭いたりする方はあまりいないのではないでしょうか。外で汗をかき、冷房で冷えた室内に入って急に体は冷やされてしまいます。この汗がポイントなのです。
急激に冷やされた汗は、体の熱を奪い、筋肉を収縮させてしまいます。ここで悪循環が始まり、肩こりが生じやすくなります。特に最近の夏は猛暑で、冷気を求めがちですが、慢性の肩こりをお持ちの方は注意が必要です。外で汗をかき、冷たく冷やされた室内に入って、筋肉が収縮される。これを繰り返していると、肩こりもどんどんひどくなってしまいます。

汗をかいた後、首や肩を触ると、ヒンヤリしていたという経験はありませんか?

予防策としては、汗をかいたら常にふく癖をつける事。着替えなどを用意して、汗をかきすぎた時などは着替えましょう。これで、かなり肩こりの予防になります。
また、夏場の入浴はシャワーのみになりがちですが、なるべく肩にシャワーを当てるなどして温めることをお勧めします。

次回のコラムは、ご要望にお応えして、骨盤矯正についてです。