タケ・タケ・エヴリバディ!

当ブログは「竹林や自然と共に生きる」をメインテーマに、管理人の田舎暮らしの様子をお届けします。

この秋にお薦めのドラマ!

2024年11月28日 | 読みました!見ました!

この秋、ボクはテレビドラマにハマっています。なんかね。テレビにありがちな薄っぺらで軽薄なドラマではなくて、ずっしりとした印象のヒューマンドラマって感じの名作がこの秋は多いな…と感じています。再放送の「坂の上の雲(NHK)」も含め、なんかこの秋の夜長に(まぁ録画してみることが多いのですが)、テレビドラマを見るのに忙しい日々なのですよ。

では、ボクがお薦めするこの秋のドラマを3本紹介しましょう。まずは1本目。TBSの日曜劇場「海に眠るダイヤモンド」です。

これはおもしろい。これまでの日曜劇場とは一線を画す“ヒューマンラブエンターテインメント”って感じのドラマです。 このドラマは、1955年からの石炭産業で躍進した長崎・端島(軍艦島)と、現代の東京を舞台にした、70年にわたる愛と友情そして家族の壮大な物語です。

出演者も魅力的です。過去の炭鉱職員と現代のホスト役の2役を演じる神木隆之介をはじめ、宮本信子、杉咲花、土屋太鳳、池田エライザ、沢村一樹、斎藤工、國村隼らの味のある演技が光ります。日本の高度経済成長の光と影を描くだけでなく、原爆や空襲で失われた命に対する国や大人たちの責任、戦後の復興を果たした日本人の生き方は本当に正しかったのか?など、いろいろ考えさせられるドラマです。これからの展開がますます楽しみです。

2つ目のドラマは、同じくTBSの「ライオンの隠れ家」です。

真面目で優しい市役所職員の主人公を演じるのは柳楽優弥。両親を亡くした彼は、坂東龍汰が演じる自閉スペクトラム症の弟のために必死で生きています。2人で暮らす兄弟が佐藤大空(たすく)が演じる謎の男の子「ライオン」と出会い、ある事件に巻き込まれていくサスペンスドラマです。

このドラマでは、何と言っても自閉症スペクトラム症の青年を演じる坂東隆汰の演技が素晴らしいです。自閉症の特性を本当にしっかり勉強して撮影に臨んでいるんだろうなぁ…と推測されます。その彼が、「ライオン」との生活によって成長していく姿は感動的です。先の読めないストーリーと、脇をかためる豪華キャストの演技が光る好ドラマですね。ボク的には、彼らの生活を陰で支える近所の食堂店主を演じる”でんでん”が、大好きです。

そして3つ目は、NHKの「宙(そら)わたる教室」です。

これは、実際に大阪府にある定時制高校の科学部から着想を得た、同名小説を原作としたドラマです。通っている生徒たちは不良だったり、フィリピン人だったり、起立性障害を抱えていたりと、年齢も境遇も様々です。本作は彼ら定時制高校の生徒たちと、将来を嘱望されていた惑星科学の研究者でありながら「やりたい実験がある」と、突如定時制高校に赴任してきた藤竹(窪田正孝)との交流を描きます。この窪田正孝の訥々とした演技がまたいいんだよなぁ…。

なんか、ボクはこういう「周りからダメだと烙印を押された若者たちが困難を乗り越えれ頑張るストーリー」って大好きなんですよね。このドラマも、夢中になって見ています。宇宙の壮大なロマンや科学的な知識、JAXAの活動なんかを知ることができるのもドラマの魅力になっています。いずれ原作も読まなきゃな。

映画ももちろん魅力的ですが、テレビドラマも捨てたもんじゃありませんね。

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汝、星のごとく(凪良ゆう)

2024年11月27日 | 読みました!見ました!

”凪良ゆう”さんの「汝、星のごとく」(講談社)を読了しました。読み始めたら、もうとにかく夢中になって、一気に読んでしまいましたよ。”凪良ゆう”さんの小説を読むのは、本屋大賞受賞作の「流浪の月」、そして「滅びの前のシャングリラ」に次いで、3冊目かな?還暦を過ぎたこの年になって、「若い男女の切ない愛」を扱った小説に夢中になるとは。まだまだボクも精神的には、若者の世界に入っていけるかも?…と思いました。


風光明媚な瀬戸内の島に育った高校生の暁海(あきみ)と、自由奔放な母の恋愛に振り回され島に転校してきた櫂(かい)。ともに心に孤独と欠落を抱えた二人は、惹かれ合い、すれ違い、そして成長していく。生きることの自由さと不自由さを描き続けてきた著者が紡ぐ、ひとつではない愛の物語。


まぁこんな感じの恋愛小説です。暁海(女性)と櫂(男性)の2人が高校生として出会ってから、30歳を超えて櫂が亡くなるまでの10数年間を数年おきに、2人の立場を交互に辿りながら、その切ない愛を描いていきます。

閉鎖的な島での人間関係、ネグレクト、ヤングケアラー、宗教、LGBT、SNS、鬱、酒、病気、死、不倫…なんかもう「現代に潜む闇を書き尽くしたのではないか?」と思えるほど、いろいろな要素(多くはマイナス要因)を含む小説です。終わりの方は丁寧な気持ちの描写が逆にもどかしいくらい「早く読みたい!」と思いました。プロローグとエピローグの設定が秀逸で、 途中で「はっ!」となってプロローグを読み返すこともありました。「結婚を互助会化する」という斬新な発想も、ある意味では理想的かもしれないなぁ…なんて思いました。

この小説の中に、心に残る言葉もたくさんありました。

●自分の人生を生きることを、他の誰かに許されたいの?
●誰かに幸せにしてもらおうなんて思うから駄目になる。自分で勝手に幸せになれ。
●自分がかわいそうと思わなければ、誰にそう思われてもいいじゃないですか。
●まともな人間なんてものは幻想だ。俺たちは自らを生きるしかない。
●親がちゃんと段取りしてくれるやつらより、俺らは不利やね。ほな手持ちのカードの中から一番譲れんもんを選ぶしかないやろ。
●特別強くなくていいから、せめて子供に余計な荷物を背負わせないで。少しでいいから荷物を持ってあげられる、それくらいの大人でいてよ。

今、本のページを繰りながら、それぞれのシーンを思い出しながら登場人物の台詞を抜き出したのですが、「なんかまだまだあったよなぁ…」という感じです。これ、きっと近いうちに映画化かドラマ化されるだろうな…と思います。あぁ面白かった。そして考えさせられました。

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目の見えない白鳥さん、アートを見にいく(映画)

2024年11月25日 | 読みました!見ました!

県立近代美術館(長岡市千秋)で行われた映画会で、映画「目の見えない白鳥さん、アートを見にいく」を観てきました。

この映画は、全盲の美術鑑賞者・白鳥建二さんと友人たちのアート作品をめぐる旅と日常を追ったドキュメンタリー映画です。「え〜っ?目の見えない方が『アートを見る』ってどういうこと?」というボク自身の単純な知的好奇心と、「ドキュメンタリー映画って独特の世界観があり、劇場映画とは違う面白さがあるよなぁ」という期待感、それに「タダで映画が見られる」っていうお得感の合わさった気持ちから参加を申しこみ、見に行きました。

恋人とのデートで初めて美術館を訪れた白鳥さんは、作品を前に語られる言葉を聞きながら「全盲でもアートを見ることはできるのかもしれない」と考えたそうです。それ以来さまざまな美術館へ通い始めた彼は、「自由な会話を使ったアート鑑賞」という独自の方法でアートを楽しむようになりました。そんな白鳥さんの20年間を振り返り、友人たちや美術館で働く人々、新たに出会った人々と紡ぎ出す豊かな会話を記録していった、ノンフィクション書籍「目の見えない白鳥さんとアートを見にいく」を基にした映画がこの作品です。

白鳥さんの日常生活を映像で追ったこのドキュメンタリーには、訥々した彼自身や彼の周りの人達が語る言葉や、実際に美術館でアートを鑑賞する様子など(新潟県の「大地の芸術祭」を訪れた映像も)から、ボクら映画を見ている者の心の琴線に響く言葉も多くありました。

ボク自身が一番心に残ったのは、インタビュアーから「(目が見えない状況下でのさまざまな取組は)とても時間のかかることですね?」と問われたことに答えた白鳥さんの言葉です。それは「逆にね、時間さえかければ大概のことはできるんですよ」という言葉。ついつい「タイパ」などと言って、時間的な効率を優先してしまうボクらの生き方や価値観を、大いに反省させられました。

映画の原作となった書籍「目の見えない白鳥さん、アートを見にいく」も読んでみたいなぁ…と思い、図書館に予約をしました。

なんか、ボクもね。「のんびりと何も考えずに美術館で過ごす時間」っていうのが、日常生活の中にあってもいいかなぁ…と思い始めました。

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ラストマイル(映画)

2024年11月23日 | 読みました!見ました!

妻が友人との飲み会に参加することになり、長岡駅前の居酒屋までボクが送迎をすることになりました。自宅から駅まではバスで30分弱かかるわが家では、飲酒を伴う会合の送迎は夫婦が互いに協力し合う体制が確立しております。バスの本数も少ないしね。

そんなわけで18時から21時までの3時間、ボクに自由な時間が訪れました。まぁ「一旦自宅に戻って時間になったら迎えに行く」という選択肢もあるわけですが、「妻とは行きにくい(スタミナ系の)飲食店で外食」「カフェでゆっくり読書」「映画館で映画鑑賞」「蔦屋で面白そうな本の散策」など、「どうやって過ごそうかな?」って考えるのもまた楽し。滅多にない機会なので、有意義に過ごさなきゃね。

で、映画館(T・ジョイ長岡)の上映スケジュールを確認したら、18:20〜20:40というボクの条件にぴったりの映画がありました。しかも、以前に「見たいなぁ…」と思っていた映画です。随分前(8月)に封切られた映画で、上映は1日のスケジュールの中でこの時間帯1回のみ。「これはボクに『この映画を見よ』という神の啓示だ!」と考え、映画に決定です。

映画の題名は「ラストマイル」。まずは映画のWebサイトから、紹介文を引用しますね。


テレビドラマ「アンナチュラル」「MIU404」の監督・塚原あゆ子と脚本家・野木亜紀子が再タッグを組み、両シリーズと同じ世界線で起きた連続爆破事件の行方を描いたサスペンス映画。

流通業界最大のイベントである11月のブラックフライデー前夜、世界規模のショッピングサイトの関東センターから配送された段ボール箱が爆発する事件が発生し、やがて日本中を恐怖に陥れる連続爆破事件へと発展する。関東センター長に着任したばかりの舟渡エレナ(満島ひかり)は、チームマネージャーの梨本孔(岡田将生)とともに事態の収拾にあたるが……。

主人公・舟渡エレナを満島ひかり、梨本孔を岡田将生が演じ、事件に巻き込まれる関係者役で阿部サダヲとディーン・フジオカ、捜査を担当する刑事役で「アンナチュラル」の大倉孝二と「MIU404」の酒向芳が出演。さらに「アンナチュラル」から三澄ミコト役の石原さとみ、中堂系役の井浦新、久部六郎役の窪田正孝ら、「MIU404」から伊吹藍役の綾野剛、志摩一未役の星野源らが再結集する。主題歌も「アンナチュラル」「MIU404」に続き米津玄師が担当した。


いやぁ〜面白かったです。まずは映画の中で重要な役割(宅配便の老配達員)を演じた火野正平さんの冥福を祈りながら、映画はスタートしました。ボクが見ていたTVドラマ「アンナチュラル(石原さとみ)」と「MIU404(星野源と綾野剛)」もコラボされていて、それもまた楽し。つい最近、星野源のエッセイ集を読んだばっかりだったしね。

ワンクリックで、夜注文した物が次の日には家に届くというこの便利な世の中で、大いなる歪みを被った人たちがいることを再確認することになる映画です。スマートフォンの登場によりこの数年間で大きく変わったボクたちの生活。便利さと引き換えに、現代人が失ったものとは?…なんて考えながら、見ていました。

あくまでも映画なので実際とは異なる部分もあるでしょうが、ポチるだけでほしいものがすぐに届くことが当たり前になったボクら現代人に向けて、そこにはたくさんの人達の努力と労力が詰まっていることを伝えてくれる意味でも、面白かったです。

ただね。映画にはいろいろな要素が詰まりすぎていて、ボク自身は回収しきれない伏線がいくつかありました。特にロッカーに残された謎のメッセージの意味、これがよくわからなかったんだよなぁ。その点ではちょっとモヤモヤ感が残りました。他の映画を見た皆さんは理解できたのでしょうか?

でも、ハラハラ&ドキドキし、考えさせられ、最後は少し安心もし(母子家庭に笑顔が戻ったシーン)、楽しめた映画でした。映画の舞台となった季節がブラックフライイデーでリアルタイムの臨場感もあり、気持ちがグッと入り込みましたね。火野正平さんをはじめ、いい俳優さんもたくさん登場しています。あぁ!面白かった!

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いのちの車窓から(星野源)

2024年11月22日 | 読みました!見ました!

役者でありミュージシャンでもある星野源のエッセイ集「いのちの車窓から」を読了しました。実は先日のこと、新聞の書評欄に最新刊「いのちの車窓から2」について紹介されており、これも図書館に予約したのですが、「『2』を読む前に『1』を読んでおこうかな?」ってことでこちらも予約したのですよ。ボクの思惑通り、『1』を先に読むことができました。

雑誌『ダ・ヴィンチ』2014年12月号よりスタートした星野源のエッセイ連載「いのちの車窓から」。 その連載をまとめて2017年に刊行されたのがこの本で、累計発行部数45万部突破(電子書籍含む)の大ヒットを記録したのだそうです。

この頃の星野源は、NHKの大河ドラマ「真田丸」に出演し、さらに『逃げるは恥だが役に立つ』『恋』の大ヒットで大注目を浴びていた頃です。 関係者が呆気にとられるほどの大反響を受け、自分を取り巻く環境が変わっていく……と、その渦中にいた星野源は自身のことを書の中で書いています。

「嬉しいことばかりだった」 という反面、「2017年から、私はおかしくなっていった」「仕事では楽しく笑顔でいられていても、家に帰ってひとりになると無気力になり、気が付けば虚無感と頭を抱え、何をしても悲しいなとしか感じず、ぼんやり虚空を見つめる様になった」とも記述しています。なるほどねぇ。そうだったのね。

そんな星野源が書いた一編一編のエッセイには、彼の優れた感性や唯一無二の価値観が光り輝いており、ゲームなどを始めとする私生活の話も抜群に面白かったです。特に印象に残ったのは、共演した大泉洋(真田丸)や新垣結衣(逃げ恥)について書いた章です。

「逃げ恥」はドラマの収録とこのエッセイの執筆が同時期なので、ドラマのストーリーを思い出しニヤニヤしながら読んでしまいました。もちろん、このエッセイが書かれてしばらくしてから星野源と新垣結衣は結婚するわけで、「この頃はどうなのかな?」「もう付き合っていたのかな?」なんて思いながら楽しませてもらいました。

「逃げ恥」って、ドラマのラストに出演者がダンスを踊るシーンがあったじゃないですか?ダンスも随分流行しました。ちょうどこの頃にボクの勤務している職場の同僚にお祝いごとがあって、職場のみんなでこのダンスを練習してビデオレター風の「お祝い映像」を贈ったことを思い出しました。懐かしいな。

本の中で描かれているイラスト(すしお作)も味があり、とてもヨカッタです。図書館で予約した「いのちの車窓から2」の順番が回ってくるのを楽しみに待ちたいと思います。あぁ面白かった!

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