GOTOイート、狂乱の宴

GOTOイート・・・今まで50年生きてきて、
これほどバグった制度は初めて見た気がします。
「結局スルーしたけど、なんだったのあれ？」と言う方に、
どれくらい狂っていたモノかを一言でご説明しますと・・・

「一人千円の参加費で、延々とレストランの無銭飲食ができる制度」

そんな馬鹿な！？と思われるかも知れませんが、
これでほとんど合っているのです。
まず、1000円以上外食すれば1000ポイント貰え、
そのポイントで1000円以上外食すればまた1000ポイント貰え、
あとは延々ループ可能というトンデモ制度だったのです。
（詳しい説明は、長くなるので最後に回します）

この制度に最大限乗っかってきたのが、全国チェーンの「く○寿司」。

「一回支払ったら、後はほぼ無料で食えるよ！延々と食えるよ！」

…と大々的に宣伝しちゃったものだから、多くの人が群がり、
マスコミが群がり、また人が群がり・・・と、大変な盛り上がりを見せ、
「無限く○寿司」「GOTOく○寿司」なる言葉も生まれました。
色々と端折ってますが、だいたいこれが今回の騒動の実態です。


スミマセン、白状しますと我が家もかーなーり利用しましたm(_ _)m
しかしこれ、主婦さん＆主夫さんにとってみると、

・外食楽しい＼(^o^)／
・「献立決め→買い物→料理→後片付け」から解放される
・しかも、ほぼ無料で食べることが可能なので家計も節約できる

…なので、知ってて利用しないのは損を通り越して何の罰ゲーム？
ということになります。
特に、「外食をすればするほど家計 (食費) が節約可能」とは
今までの常識を根底から覆すもので、本当にメダパニ状態であり、
いかにこの制度がトチ狂っているかが分かると思います。

余談ですが、この「やらなきゃ損」という感覚は
「ソシャゲのスタミナ」とソックリだった気がします。

・ソシャゲ：あ、スタミナが満タンだ！遊ばなきゃ！
・イート　：あ、4000円分ポイントある！食わなきゃ！

趣味であるソシャゲでもスタミナに振り回される人は多いのに、
GOTOイートは
「生命活動で絶対に必要な食事が無料でできるリアルソシャゲ」な
状態なのですから、
「ポイントあるだけ使おうとするな！」と言うのは
無理な話です（断言）


そのような経緯で、多くの人が群がった結果、
アッと言う間に予算が底をついたようで、
先週末の11/13(金)、いきなり終了宣言が出ましたｗ
予定では来年の1月末までポイントが付くハズだったのですが、
お金が無くなったから終了になったようです。

そして11月18日現在、ポイントが貰える予約は不可能になりました。
いやー、最後はあっけなかったですね・・・。
この突然の終わり方、僕は↓このマンガを思い出しました。



　　　　　　途中ですが「GOTOイート」は
　　　　　　これで終りです。

　　　　　　　　　　The　End

・・・まさにこんな感じですｗ
ただ、上のマンガでは「なんだかホッとする」とありますが、
実際はそれどころかガッカリする人がほとんどで、
おそらく日本のあちこちで「GOTOイートロス」に陥っている人が
続出しているのでは・・・と思います。
ウチでも、カミさんと長男が途方に暮れてます^^;


もちろん、僕も残念に思ってますが、
実は密かに、それよりも嬉しいことがあります。
かねてから「ギャプラス1000万点に挑戦したいなあ」と書きましたが、
先月末、ついにカミさんの許可を得ることが出来ました！
「予定のない日曜日とかに行っといで～」とのお言葉を
頂戴することに成功したのです。

しかし、GOTOイートの最中では許してもらえそうもないので、
（休祝日は昼も夜も一家で外食してました^^;）
決行日はイート終了後の来年2月以降かな・・・と思ってたのが、
いきなりイートが終了し、急に現実味を帯びてきました！
ただ、そろそろ年末で慌ただしくなってきて、
実際に行くのは色々と難しそうです。
でも、巷ではGOTOイートが復活するかも知れないとの噂もあるそうで、
もしそうなったら年越しは確実になってしまうので、
なんとかチャンスを見つけて断行したい！と思います。

GOTO　ロイヤルホテル土佐!!

僕的には、GOTOイートよりも

GOTO　GAPLUS!!


それでは、今回はこの辺で。
皆様も、健康（特に武漢肺炎）にはくれぐれもご留意ください。



～～～　補足説明　GOTOイート　～～～　（※かなり長文です）

まず、GOTOイートには・・・

・食事券によるGOTOイート
・オンラインポイントによるGOTOイート

・・・の2種類があります。

そして、バグっていたのは「オンラインポイント」のほうでした。
（ちなみに食事券のGOTOイートは、むしろ今からが本番です）
オンラインは終了するまで、以下のようなことが出来てしまってました。

０　前提として、家族４人で利用する場合・・・
１　まず、特定サイトからオンラインで店を予約
２　店で4000円以上、晩御飯を食べる
３　現金やカードなどで支払い
４　特定サイトに利用額などを報告
５　審査後に4000ポイントゲット

　－－－　ここまでは普通　－－－　

６　特定サイトからオンラインで店を予約
７　店で4000円以上、晩御飯を食べる
８　付与されたポイントで支払い（4000円を超えた分は自費）
９　特定サイトに利用額などを報告
10　審査後に4000ポイントゲット
11　６に戻る、以下ループ

この、10の「ポイント使用分でポイントが付く」というのが
限りなくバグに近いのです。

これを究極的に悪用(?)すれば、

・まず、家族4人で4000円ピッタリ外食してポイントを貰えば、
・その後は4000円ピッタリの外食を10回しようが100回しようが、
・全てポイントで払える→また貰えるので、実質無銭飲食状態！
・外食100回、40万円分食おうが、支出は最初の4000円ポッキリ！

いやいやいや、どう考えても頭オカシイですよこれ・・・。
ところが、そんな疑問を感じた誰か（マスコミだったと思います）が
「変じゃないですか」と質問した時の農林水産省の返答は、

「仕　様　で　す」

・・・左様ですか・・・(´Д｀)


　　『爆誕！無限く○寿司』

このバグシステムをうまくツイたのが、E○ARKとく○寿司。
通常、ポイントがつくタイミングはサイトによって違いますが、
だいたいは申請の数日後から一週間後とかでありました。
（注：窓口サイトは複数ありました）
ところが、E○ARKというサイトは、申請後数時間という驚きの速さで
ポイントの付与をしていました。

そして、そのE○ARKと組んでたく○寿司は、先述のとおり
「食った金でポイント付いたら、次はポイントで食ってポイント付くよ！
　つまり、延々とタダ食いできるよ！」と大々的に宣伝したのです。


　　当時、く○寿司のテーブルにはこんな説明紙が置かれてありました^^;

かくして、多くの人々がE○ARKとく○寿司に群がり、
E○ARKで予約して寿司食って、2時間後にポイントが付くからまた
E○ARKで予約して寿司食って（E○ARKは一日2回まで予約可能）、
次の日もまたE○ARKで予約して・・・なんてことが横行した訳です。

これは憶測ですが、農林水産省には色々と誤算があった気がします。

・まさか申請後、数時間でポイントが付くサイトが出るとは思わなかった
・まさか事業者（く○寿司）が、堂々と無限ループを宣伝するとは
　思わなかった（ひっそりやって欲しかった）
・まさか庶民が、ディナーで一人千円しか使わないなんて思わなかった

さて、どれが想定外だったのでしょうかねえ・・・全部だったりしてｗ
その前にはト○キ錬金術というのもありましたし、
ホントにもうガバガバ過ぎ！^^;


　　『問題点と突然の終焉』

そしてGOTOイートの問題点ですが、ひとえに

「利用した人・店と、しなかった人・店の差が大き過ぎる」

・・・に尽きると思います。
600億円ほどの予算があったそうですが、制度を知らない人、
ネットに疎い人は置いてきぼりで、
一部の利用者が食い尽したのではないかな・・・と思います。
それは店側も同じで、設備などで参加できない個人店をしり目に、
一部の大手チェーンのみにお客が殺到したはずです。
これでは、いくらなんでも不公平が過ぎたと思います。
もっとも、一番リスク無く儲けたのは窓口サイトだったという
噂もありますが・・・。

そして、予算が底をついて突然終了となったのは先述の通りです。
「この予算なら1月末まで持つかな・・・あれ、もうスッカラカン!?」
てな感じで、この件でもお上の誤算っぷりが透けてみえます。


　　『評価点と今後の展望』

このように、混乱を極めたGOTOイートオンライン
（以下イートオンラインと略します）でしたが、
評価点もいくつかあると思います。

・事業総額が10万円給付金より安く抑えられた
今年前半に一人10万円の給付金がありましたが、
政府的にイートオンラインはそれよりもはるかに安上がりでした。
（各予算：　給付金 12.7兆円、イートオンライン 600億円）

・10万円給付金よりインパクトが強かった
数年後、「10万円給付とGOTOイート、どちらが印象に残った？」と
アンケートをしたら、GOTOイートと答える人が少なくないと思います。
ウチでも、実際の恩恵額は給付金のほうが断然多いのに、
イートのほうがはるかにインパクトが強かったです。

・貯金に回されなかった
10万円給付金は、結局貯金に回ってしまったと麻生副総理が発言して
少し問題になりましたが、イートオンラインは貯金に回しようがなく、
当然お金はそのままお店に流れました。
特定のお店にしか利益が行かなかった問題はありましたが、
でもお金が巡ったことは評価できると思います。

・人々に電子決済などを使わせるきっかけになった
よく「日本人は電子決済に消極的」という話を聞きますが、
今回のイートオンラインで重い腰を上げた人も多いのでは・・・と
思います。ウチもまさしくそれでした^^
案外、政府が一番狙ったのはコレなのかも・・・と思ってみたり。


そして、今後の展望ですが・・・

・イートオンライン、復活はあるか？
個人的には50％くらい復活する確率があるのでは・・・と思います。
今回で噴出した問題点を改善して、12月中旬から再開・・・とか。
理由ですが、来年1月末までやると言って11月半ばで終わりというのは
あまりにもカッコがつきませんし、それをアテにしてた店側や
国民の不満も大きいと思われるからです。
しかし、コロナも拡大傾向にあるので難しいかも知れませんね～。

・将来、年金や生活保護の一部にイートオンラインを転用？
かなり突拍子もない話ですが、案外あるかも？と思います。

今回の社会実験(?)で、
・額のわりにインパクトが強い
・貯金に回されない
…というメリットが分かりました。

さらに、
・主に生活保護で、好ましくない支出を相対的に減らせる
…等も期待できるので、マイナンバーあたりと絡めて
似たような制度が来るかも・・・なんて思っています。
よくベーシックインカムをやるかどうか議論されますが、
それよりはイートオンラインのほうが現実的な気がします。


とにもかくにも、なかなか実現出来ない試みだったと思うので、
この経験を何かに活かしてくれたら良いなあ・・・と思います。
もの凄く長くなりましたが、もし読んでくださった方がおられたなら
お付き合いくださりありがとうございました！m(_ _)m