5月6日、半世紀ぶりにギフチョウを採って手にしたタハラッチでしたが、この日は採り逃がしたほうが多く、もやもやした気持ちでいっぱい。リベンジのチャンスを窺っていました。
蝶の発生時期は短いため、採集ポイントはかなり限定されるはず。前回、発生がピークを迎えていたところは、すでに終盤を迎えているに違いありません。
イライラしながら天候を読み、蝶行の踏ん切りをつけたのが18日。午前2時半に起きて、外環、関越道を突っ走りました。
ネット情報を分析して、この時季なら下越方面かと思いましたが土地勘がありません。次によさそうに思えたのが松之山界隈。S先輩に尋ねると、一昨年の5月5日にはたくさん飛んでいたというではありませんか。そこに照準を合わせることにしました。
でも遅すぎるのではないかという不安もあります。さらにネットで調べると、上越にもよさそうなポイントが見つかりました。これを抑えに出発したのです。
さらに思いついたのが名高いY山。昨年の4月19日に訪れたときは残雪が覆っていて、発生前だったところです。前回の蝶行では先行者たちが何頭か採集していましたが、タハラッチたちが訪れた時間帯が遅かったせいか、目撃すらできずに終わってしまいました。
松之山に行く前に、卵だけでも見つかるかもしれないと思い、立ち寄って見ました。信濃川は朧にかすみ、まさに春の風景が広がっていました。
ひょっとしたらと思っていた勘が的中。淡い黄色の蝶がフワフワ近づいてきます。きっと破損しているに違いないと目で追うことにしました。思惑通り止まってくれたのがこのショットです。
色褪せた個体が多かったものの、このあとも数頭が飛来。ネットした3頭の内、1頭だけケースに収めることにしました。
30分ほど過ごした後、次に向かったのが本命の予定だった松之山。S先輩の情報とネット情報のポイントをそれぞれ探索しましたが、スミレやカタクリは咲いているものの、気配すら感じられません。どうやら時季が遅すぎたようです。
抑えのポイントへは1時間半以上も要しますが、その情報によると15時過ぎでも飛来する可能性は高いとのこと。躊躇することなく車を走らせました。
嫌になるくらい走り続け、ここでよいのかと不安に駆られながらさらに進むと、ネットに掲載されていた写真と同じ光景に出くわしました。さらにうれしいことにはその直前、紛れもないギフチョウの姿を目撃することができたのです。
車を止めて支度をしていると、高みから1頭、降りてきました。しかしネットを振る間もなく、藪の中へと姿を消していきます。しばらく待機しましたが、次の固体も動きが激しく、撮影も採集もできそうにありません。山道を登ることにしました。
残雪を踏みながら少し登ると日当たりのよい藪にカンアオイが生えています。先ほどのギフはきっとこの辺りから飛来したのだなと思っているとやってきました。
でも気持ちが逸って狙いが定まりません。空振り。せっかく射程圏に入ってきたのに採り逃がしました。
でも待てばきっと来る。4、5分のことでしょうが長かったですね。今度はゆっくりと動きを読み、フワフワ近寄ってきたところをネットイン。首尾よく捉えることができました。
車を止めたところから300mくらい進んだ辺りまでの間に、合計4ヶ所の飛来ポイントがあり、採集したのは3頭。ほかにも多数目撃しました。
でもここでは採集に熱が入り、カンアオイもギフチョウも撮影しないまま、帰途に着きましたが、昨年から3回目、ようやく満足できる新潟のギフチョウ採集を遂げることができました。