総合診療医からの健康アドバイス

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がん検診のエビデンス

2018-09-11 10:27:03 | 医療情報
 皆様こんにちは。総合診療医からの健康アドバイスの時間です。
 今日の沖縄は午前中は雨、午後から晴れてくるそうです。ただ、晴れるのはいいですが気温が上がるとのこと。週末からは平年よりも1~2度、高いそうです。まだまだ熱中症への備えが必要なここ沖縄は、安室奈美恵さんの引退コンサートに向け、どんどん熱くなっています。クールダウンが必要かも、ですね。では、本題へ。
 
 
 
 
 線虫によるがん検診の研究は、感度・特異度を調べただけであり、この検査でがんの死亡率が低下した、というデータではありません。
 
 
 
 ある検診が有効かどうかは、ある人口集団に対して無作為に選んだ対象の人にその検査を行い、その検査を受けなかった人と比較して、検査対象となるがんの死亡率または総死亡率が減ることを前向き研究で示す必要があります。
 
 
 
 すなわち、無作為化比較臨床試験です。
 
 
 
 感度や特異度がよければそのがん検診は有効であるということは言えません。
 
 
 がん検診で引っかかるがんは成長のゆっくりながんが多いということがわかっています。
 
 
 また、5年生存率等で比較する場合は、がん検診で無症状の時に診断された期間の長さの分だけ生存期間が見かけ上延長するので、がん検診で生存が伸びるように見えるバイアスを生じさせます。
 
 
 
 さらには、がん検診の場合、臨床的に問題とならないようながんが見つかることもあります。
 
 
 例えば前立腺がんや甲状腺がんの場合です。
 
 
 これらのがんはそのまま放置しても死ぬまで症状が出ないケースもかなりあります。
 
 
 体の免疫機構によって一度できたがんが自然に消失することもあります。
 
 
 
 小児の神経芽細胞腫が代表例ですね。

 

 

とあるビーチサイドの風景

 

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