総合診療医からの健康アドバイス

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気管支炎で抗菌薬が不要な理由の説明

2019-10-30 11:03:46 | 医療情報
 皆様こんにちは。総合診療医からの健康アドバイスの時間です。
 今日の沖縄は天気予報では一日中曇りとのことでしたが、現在、事務所近辺は雲は多いものの、晴れています。予想最高気温は27度ですが、日差しのある所では、それ以上あるでしょう。しかし、公職についている方の失言などがよくありますね。自宅で話しているわけではないのに、色々出てきますね。自分も気を付けようと思いました。では、本題へ。
 
 

 今回も、前回に引き続き、抗菌薬が不要であることを、どのように説明するかについてみてみる。


 疾患は気管支炎。



 急性気管支炎は咳と痰を主な症状とする。


 肺炎と紛らわしいため、抗菌薬が処方されることが多かったが、最近の臨床研究によると、気管支炎に抗菌薬を投与しても早く良くなるわけでもない、ということがわかってきた。



 では、説明してみる。



 あなたの風邪は、急性気管支炎のようです。


 今のところ、肺炎を疑うような症状はありません。


 気管支炎には抗菌薬は効果がありません。


 抗菌薬によって吐き気や下痢、アレルギーなどの副作用が起こることもあります。


 現時点では、抗生物質の利点より副作用のリスクが上回りますので、抗菌薬は飲まない方が良いと思います。


 そのかわり、咳を和らげるお薬をお出ししておきます。



 急性気管支炎の場合、咳は2から3週間続くことが普通です。


 残念ながら、今日や明日から急に良くなるという事はありません。


 咳が出ている間は大変つらいことと思いますが、なんとか症状を和らげていきましょう。


 1週間あと位に、また受診してください。

 

沖縄本島中部、うるま市の海中道路の風景です。

 

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