スポーツ障害のなかでも、ランニング障害は特殊で、休めば治る、やめれば治るといったことしか教えてもらえないケースも少なくありません。
また、何よりランニング障害解消を困難にしているのはフォームに対する考え方です。ほとんどの人がまっすぐ、ブレない、正しい走り方は一つと思い込んでいるところも問題解決を阻んでいる要因の一つとなっています。
今回は少し複雑多岐に渡りますが、臀部痛を解決するメカニズムについて解説します。
ビフォーイメージ
○0代女性 マラソン：サブ３.5
ロゲイニング優勝経験あり、トレラン好き
仕事：屋内立ち仕事
左臀部痛、安静時も＋＋＋
車の運転（通勤）
学生時：バスケットボール
当KCCランニングクリニックにお越しの当初、
上、ランニングフォームでした。
身体のコンディションとしては、
胸郭の動きが硬く、また上肢帯の下垂状態、
両脚のニーイントゥアウト、
さらには扁平足が認められました。
普段から立ち仕事で、
脚を突っ張って踏ん張ることが多く、
ヒラメ筋や股関節内転筋群、
大腿四頭筋の伸張性が低下していました。
加えて、
腕での力作業も多く、
上肢帯が下垂し、
前鋸筋や小胸筋が短縮し、
胸郭自体の動きも制限されているような状態でした。
また、
筋肉の質が白筋らしく、
拘縮部へのストレッチテンションをかけにくく、
直接ストレスをかけるダイレクトストレッチを多用しました。
アフターイメージ
左のみに症状が出ているので、
左右差も気になるところです。
しかし、ランニングにおいては、
まずは前後バランスから改善していく手順が、
もっとも効果的と考えています。
それは、推進ネネルギーを止める動き、
つまりブレーキ動作が一番身体へのストレスとしては大きなものだからです。
今回も、
地道にストレッチを続け、
ブレーキのない走り方がわかったところで、
問題も消失していきました。
痛みや違和感を解消するためには、
自分の身体の使い方を覚えること、
自分らしく走ることを見つけるのも、
遠回りなようで最善策と考えています。
あれはだめこれはだめと、
何をして良いのか分からなくなってしまった時は、
ぜひ一度相談に来てみてください。
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